ボンガーツによる構成モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 21:11 UTC 版)
「出生力」の記事における「ボンガーツによる構成モデル」の解説
ボンガーツは、4つの近接要因と総妊孕力(TF)から人口の合計特殊出生率(TFR)を算出しうる次のモデルを提唱した。 TFR = TF × Cm × Ci × Ca × Cc 近接要因4つは、結婚(Cm)、産後の不妊(Ci)、人工妊娠中絶(Ca)、避妊(Cc)であり、これらの指数は0から1までの数値範囲をとる。指数が高いほどTFRも高くなる。例えば、人工妊娠中絶をしない地域ではCa=1、誰もが完璧な避妊を実行するならCc=0となる。 この4指標は、合計婚姻出生力(TMFR)や合計自然出生力(TN)を算出する際にも使われる。 TFR = TMFR × Cm TMFR = TN × Cc × Ca TN = TF ×Ci 交渉 第一段階は性交渉、そして最初の交渉における平均年齢、婚外の平均頻度、婚内の平均頻度の調査である。 受胎 特定の身体状態が女性を妊娠不能にしてしまう場合がある。これは「意にそぐわない不妊」と呼ばれる。女性は妊娠可能な状態にあるものの、生理的な妊娠能力が正常範囲よりもかなり低い状態は「低妊孕力」と呼ばれる。性病(特に淋病、梅毒、クラミジア)が普遍的な原因である。栄養もまた要因である。人口統計学者のルース・フリシュは「赤ん坊を作るには5万カロリーかかる」と主張している。体脂肪20%未満の女性は低妊孕力になる場合があり、運動選手や拒食症の影響を受けやすい人々にとって懸念要因である。出産後の数週間もまた低妊孕力となり、これは授乳を通して1年以上長引くことがある。男女の生殖補助医療を手掛ける大型産業が発達すると同時に、受胎を防ぐことを意図した避妊具も大型産業化した。その使用における有効性は様々である。平均して、避妊をしていない夫婦の85%は1年で妊娠する。膣外射精、ゴム状避妊具、殺精子剤を使用すると、その割合が20%程度に下がる(これはパートナーが避妊を絶対忘れないとの前提で)。ピルまたはIUDを使用するとその割合は2-3%に低下し、インプラントでは0%近く、女性の卵管結紮術や男性の精管結紮術では0%になる。 妊娠 身ごもった後、胎児は出生する場合もそうでない場合もある。「不慮の胎児死亡率(Involuntary fetal mortality)」には、自然流産と死産が含まれる。胎児の流産を意図的に引き起こす人間の介入は「人工妊娠中絶(堕胎)」と呼ばれる。
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