ベリー家の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 18:44 UTC 版)
「ホテル・ニューハンプシャー」の記事における「ベリー家の人々」の解説
ジョン・ベリー ベリー家の次男。この物語の語り手。変人揃いの家族の中では比較的まともと思われがちだが、実の姉に恋をするという問題を抱えている。その姉がレイプされた事をきっかけに、祖父の手解きで肉体の鍛錬を始める。 ウィン・ベリー ベリー家の父親。「白いタキシードの男」に憧れホテル経営の夢に取りつかれる。愛情はたっぷりあるものの現実世界が今一つ見えていない。実は頭脳明晰で、苦学してハーバード大学を卒業している。 メアリー・ベリー ベリー家の母親。夫とは同じ町の出身だったが「アーバスノット・バイ・ザ・シー」の同僚として再会しその時から惹かれ合うようになる。フロイトに言われた事もあり、愛する夫のことをひたすら受容している。飛行機事故で末息子と共に死亡。 フランク・ベリー ベリー家の長男。ゲイ。制服に強い拘りを持ちコスプレ癖がある。それも含めて変わり者であるため友人が少ない。ドイツ語を完璧にマスターしウィーンでの生活のイニシアティブを取る。 フラニー・ベリー ベリー家の長女。人目を引く美女で勝気な性格。あけすけな話し方を好む。高校でフットボール選手のチッパー・ダヴとその一味に輪姦され心に深い傷を負う。力になってくれたジュニア・ジョーンズと親しくなるが、ウィーンでは熊のスージーと関係を持ち恐怖心からダヴに手紙を書く。 リリー・ベリー ベリー家の次女。いつまでたっても大きくならなかったがスウェーデン人の医師により小人症と診断される。その後大きくなるためと称して小説を書くようになり、出版社に送った家族の物語が認められ作家としてデビューする。 エッグ・ベリー ベリー家の三男。末っ子である故の差別を被る存在。難聴であることが発覚するが、それはジョンに言わせれば都合のいい時に発生する傾向にある。フランク同様コスプレ好きだがこちらは大目に見られている。飛行機事故で母親とともに死亡。 アイオワ・ボブ ウィンの父。子供たちの祖父母の中では唯一彼らの記憶に残る存在。長年フットボールのコーチをやっており、老いてなお肉体の鍛錬は欠かさなかった。しかしクリスマスのためにフランクがフラニーのために用意したソローの剥製にショックを受け、急死してしまう。 ソロー ベリー家のペット。年老いた黒いラブラドール犬で、始終おならばかりするためフラニー以外からは迷惑がられていた。ホテル経営にあたり悪臭を理由に「眠らされる」。しかしその後フランクによって剥製として蘇り、彼の存在は沈まない悲しみ(sorrow)の暗示として物語の底流を漂い続ける。
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