ベリー便
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 02:50 UTC 版)
旅客機を用いた貨物便。狭義では、旅客機ではあるが旅客を乗せず貨物のみを輸送するものを指す。ベリー便の「ベリー(belly)」はお腹の意で、通常旅客機の腹部に当たる部分に貨物室があることから名付けられた。主に旅客の利用が見込めない深夜帯に運行される。 従来ベリー便として運行されていた貨物便を、旅客を乗せて旅客便に転用することで増収を図る試みも一部で行われており、例えば全日本空輸(ANA)では、2014年7月から8月にかけて期間限定で、深夜帯に羽田 - 那覇間でベリー便を転用した旅客便を運航する。ただしあくまで貨物輸送を優先するため、販売される座席数は貨物の積載量によって増減し、ANAの例では概ね総座席数の4割程度となっている。また同様の理由で乗客の手荷物の預入も通常より制限が厳しくなるため、手荷物を持たない乗客用のプランを一部旅行会社経由で販売している。 2020年以降はCOVID-19に伴う航空旅客需要の減退により、平常時は6割の航空貨物を運ぶ旅客便が大幅な減便に追い込まれる反面、貨物輸送需要は堅調に推移し、需給が逼迫する状況となった。そのような状況下で、ちょうど同年に新規就航したZIPAIR Tokyoをはじめとする多くの旅客航空会社が旅客を乗せず貨物のみを輸送するベリー便として貨物輸送を行う動きも見られる。
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