ブルックリン家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 07:39 UTC 版)
キース・ブルックリン(Kith Brooklyn) セナンクル島に住んでいる富豪。元々は生命工学系の科学者だったが、突如医療企業を設立し、現在はサイボーグ兵士の生命維持装置などの軍需産業系に進出し、さらに事業を拡大している。命を商売として扱っているとの評判から、「死の商人」などとの影口が絶えない。これらはすべて、生命維持装置「クレイドル」を完成させ、娘シリルと偽装空間(テラリウム)内で出会うことを目的として行っていたものである。 「クレイドル」の開発に行き詰まる中で、いつしか「シリルは既に天に召されているのではないか」という疑念を持つようになり、研究を存続する意義を見失いかけていたが、ブルックリン邸を訪れた福音とクラリオンの尽力もあって、6年越しの悲願だったシリルとの邂逅を果たすことができた。後に「クレイドル」を完成させ発表。医療・託体施設などの生物学的肉体保存の分野に多大な貢献をし、「クレイドルの父」と呼ばれるようになる。笑顔を作るのが苦手であり、その無愛想な顔つきで福音を戸惑わせるほどだったが、シリルから「パパのわらったかおが怖い」と指摘されたため猛特訓し、以後は自然な笑顔を見せられるようになった。 実はウザル(サハル)とは友人同士であり、ウザルから自身にポセイドンが接触してくることや、福音が全身義体であること、福音によって「クレイドル」が完成することを事前に予言されていた。シリルの一件で福音に多大な恩義を感じており、ウザルに福音の情報が全身義体の能力を狙う者たちに流出しないように依頼され、これを快諾した。 クラウディア・ブルックリン(Claudia Brooklyn) キース・ブルックリンの妻。キースとは職場結婚であり、現在も夫の会社で偽装空間(テラリウム)における仮象感覚部門の開発員を務めている。普通の人間として現実世界で生活を送ることができない娘シリルのために、本作の時代ではまだ遅れがちな触覚や味覚、嗅覚などの研究を中心に優れたデータを開発した。 生きているかどうかも分からない娘のために研究を続けることに疲弊し、塞ぎ込むようになっていたが、福音とクラリオンの尽力でようやくシリルとの邂逅を果たし、感激の涙を流した。 シリル・ブルックリン(Cyril Brooklyn) ブルックリン夫妻の一人娘。年齢は6歳。シリルという名前は本来、英語圏やフランス語圏の男性名だが、これは父キースが性別を間違えて名付けてしまったためである。 キースによれば「普通に産まれることを許されなかった」らしく、現在はブルックリン邸の地下にある生命維持装置「クレイドル」の内部に脳のみの状態で安置されている。「クレイドル」をもってしても、シリルは脳を完全な形で維持することが困難だったため、最初に福音たちがブルックリン邸を訪問した時点で脳の半分が特殊なマイクロマシン(試作型補助脳)に置き換えられていた。 脳波こそ確認できるものの、偽装空間におけるシリルのデータは「クレイドル」とは情報の位相が異なるため、P-2501いわく「本来人間ガ知覚できる範囲外の情報まで情報交換(デコンパイル)できる」福音がかすかに認識できる程度で、その他の人間には姿も見えず声も聞こえない状態にあった。そのため、「自分たちの身勝手で娘をこんなところへ閉じ込め続けることはできない」と考えたキースによって完全に生命活動を停止させられそうになったが、福音とクラリオンが連携して「クレイドル」のシステムを書き換え、シリルの全感覚の変換プロトコルを一から構築することで、ようやく両親との邂逅を果たすことができた。 元は士郎正宗のイラスト集『PIECES 2 PhantomCats』に登場するキャラクター。
※この「ブルックリン家」の解説は、「紅殻のパンドラ」の解説の一部です。
「ブルックリン家」を含む「紅殻のパンドラ」の記事については、「紅殻のパンドラ」の概要を参照ください。
- ブルックリン家のページへのリンク