フローリン銀貨の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/26 16:34 UTC 版)
「フローリン銀貨」の記事における「フローリン銀貨の種類」の解説
ヴィクトリア女王の肖像ヴィクトリア女王のフローリンは4タイプのものが発行された。最初のものは1849年に発行されたが、このコインは、1847年に発行されたゴチック・クラウンといわれる銀貨と同様に若いヴィクトリア女王の王冠を戴いた胸像を描いたものであった。しかし、銘字は普通の書体であり、イギリスコインに決まって刻印されていた「DEI GRATIA」(神の恩恵による)が刻印されておらず、神無きフローリン(ゴッドレス・フローリン Godless Florin)として有名である。コインの裏面は伝統的な紋章の盾を十字に4つ組み合わせたものであった。 1848年銘 "ゴッドレス・フローリン"完璧な状態のプルーフ試鋳貨 1849年銘のコインは1851年まで同じ年号のまま、413,820枚鋳造されたが、初期のものと後期のものは刻印が異なるためにデザインに微細な差がある。 その後1851年にはゴチック・クラウンと同じブラックレターの書体に変更し、「DEI GRATIA」も刻印されたゴチック・フローリンが発行されている。なおこのゴチック・フローリンは重量は変わらないが直径は30mmとやや大きくなっている。また、1851年から1887年まで製造されたので、女王の年齢とともに肖像も変化しており、このコインにも多数のバラエティが存在する。 1887年には女王の在位50周年を記念し、肖像がジュビリーヘッドといわれるものに変更になり、1892年まで発行された。 ヴィクトリア女王の最後のタイプは1893年から1901年まで発行されたオールドヘッドタイプでヴェールを被った老年の肖像が刻まれている。裏面は3つの盾。 なお1887年から1890年の間、ジュビリーヘッド肖像を描いた、ダブルフローリンと呼ばれる4シリングの銀貨が発行されたが、煩雑であるとのことで、それ以後この額面のコインは発行されていない。 エドワード7世の肖像1902年から1910年まで発行されたものが1種のみ。裏面はブリタニア女神の立像。 ジョージ5世の肖像デザイン的には2種類である。最初のタイプは1911年から1926年まで発行されたが、1911年から1919年までの製造分はスターリングシルバー製であり、1920年から1926年までのものは.500の品位である。2番目のタイプはデザインが簡略され1927年から1936年まで発行された。ジョージ5世のフローリンの裏面は4つの盾である。 エドワード8世の肖像在位期間の短いエドワード8世のコインは流通用としては発行されなかった。 ジョージ6世の肖像この時代からコインの額面が ONE FLORIN からTWO SHILLINGSに変更になった。図案は1種で裏面は王冠とシンボルの植物。1946年までは銀貨で、1947年から51年までは白銅貨で発行された。また、1949年以降周囲の銘字より、IND IMP(インド皇帝)の文字が削除された。 エリザベス2世エリザベス2世の肖像この時代のコインも1種で裏面はバラの花を中心にシンボルの植物が描かれている。1953年から1970年まで発行されたが、1953年のみ銘字に BRITT OMN が入っている。すべて白銅貨である。
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