フサザクラとは? わかりやすく解説

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ふさ‐ざくら【総桜】

読み方:ふさざくら

フサザクラ科落葉高木山中自生し広卵形で先が尾状にとがり、先のほうにつく。3月ごろ、より先に花をつける。花びら(がく)をもたず、多数雄しべが房状に垂れ(やく)は暗紅色。実は平たく、翼をもつ。樹皮から鳥もち作る


総桜

読み方:フサザクラ(fusazakura)

フサザクラ科落葉高木

学名 Euptelea polyandra


フサザクラ科

(フサザクラ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/07 06:03 UTC 版)

フサザクラ科
フサザクラ Euptelea polyandra
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: キンポウゲ目 Ranunculales
: フサザクラ科 Eupteleaceae
K. Wilh., nom. cons.
: フサザクラ属 Euptelea
Sieb. & Zucc.[1]

フサザクラ科(ふさざくらか、学名: Eupteleaceae)は双子葉植物の科。

属および種

フサザクラ属 (Euptelea) 1属からなる落葉高木で、日本(本州(主に秋田・宮城県以南)から九州)に自生するフサザクラ(房桜、Euptelea polyandra)と、中国南部からアッサムに自生するEuptelea pleiosperma の、2種(および両者の人工的雑種)からなる。

特徴

は両性で、花被はなく、多数の雌蕊と雄蕊からなる。フサザクラは3-4月頃、葉が出る前に開花し、紅色の雄蕊のやくが房状に垂れ下がって美しい。雌蕊はゴルフのクラブ状で雄蕊より短い。果実は偏平で周囲が翼状になり、風で飛ぶ。 葉の形は先端のとがった円形で不揃いな鋸歯があり、葉柄は長く互生する[3]

稚樹の耐陰性が弱い陽樹であり、他の樹木と競合の少ない急傾斜地に適応した特徴を持つ[3]。その一つとして、主幹が土砂の移動などによって倒れても根が残りやすく、根元に生えている多くの萌芽枝に栄養を振り替えることで、萌芽枝が次代の主幹となって成長する萌芽再生の能力がある[3]。また、重力によって主幹が水平方向に寝てしまうと、垂直方向に生えていた枝が主幹のように太くなり、垂直方向への成長を維持する。主幹の交代が終わると、それまで主幹だった幹は枯れて腐り落ちる[3]

APG植物分類体系ではキンポウゲ目に入れる。

フサザクラ

フザザクラ(房桜[4]・総桜[5]、学名: Euptelea polyandra)は、フサザクラ科フサザクラ属の落葉高木。別名、タニザワともよばれる[4]和名フサザクラの由来は、短枝に花が房状につくのでこの名がついたと言われるが、サクラとは別のなかまである[4]

日本本州(主に秋田・宮城県以南[6])、四国九州に分布し、山地の谷沿いなどの湿気の多い落葉樹林に自生する[4][5]落葉広葉樹高木で、樹高は大きなもので15メートルほどになる[4][5]樹皮は灰色から褐色で滑らかだが、点状の皮目が多く、成木ではそれらがつながって横長となる[5]。枝は茶褐色でやや細く、毛はない[5]。新枝は赤みを帯びる[5]

花期は早春(3 - 4月)。葉より先に暗紅色の花をつける。花の形は独特で、花弁もなく、多数の雄蕊雌蕊からなり垂れ下がる[4]。雄蕊のは長さ6 - 7ミリメートルで、暗紅色でよく目立つ[4][5]

互生し、長さ6 - 12センチメートルの広卵形で先端が尖り、葉縁鋸歯がある[4]。果期は9 - 11月。果実翼果で、偏平な翼状で多数つき、風で飛ばされて飛散する[4]。初冬まで長い柄のある翼果がついていることが多い[5]

冬芽は互生し、暗紫色で光沢がある芽鱗9 - 12枚に包まれる[5]花芽は丸みのある卵形で、葉芽は長卵形で花芽よりも小さい[5]。葉痕は冬芽の周りを取り囲み、維管束痕は一列に並ぶ[5]

脚注

  1. ^ "(属名) Euptelea". Germplasm Resources Information Network (GRIN) online database (英語). 2012年8月20日閲覧
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Euptelea polyandra Siebold et Zucc. フサザクラ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月31日閲覧。
  3. ^ a b c d 渡辺一夫 『イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか:樹木の個性と生き残り戦略』 築地書館 2009 ISBN 9784806713937 pp.118-124.
  4. ^ a b c d e f g h i 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 28.
  5. ^ a b c d e f g h i j k 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 226
  6. ^ 東北森林管理局/管内の樹木一覧(モクレン目・キンポウゲ目・オトギリソウ目)”. www.rinya.maff.go.jp. 2025年5月7日閲覧。

参考文献

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、226頁。 ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、28頁。 ISBN 978-4-05-403844-8 

フサザクラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 21:21 UTC 版)

フサザクラ科」の記事における「フサザクラ」の解説

フザザクラ(房桜学名Euptelea polyandra)は、フサザクラ科フサザクラ属の落葉高木。別名、タニザワともよばれる。和名フサザクラの由来は、短枝に花が房状につくのでこの名がついたと言われるが、サクラとは別のなかまである日本本州四国九州分布し山地の谷沿いなどの湿気の多いところに自生する樹高15メートルほどになる。花期3 - 4月。より先に暗紅色の花をつける。花の形は独特で、花弁もなく、多数雄蕊雌蕊からなり垂れ下がる雄蕊長さ6 - 7ミリメートルで、暗紅色でよく目立つ。互生し長さ6 - 12センチメートル広卵形先端尖り葉縁鋸歯がある。果期は9 - 11月。果実翼果で、偏平翼状多数つき、風で飛ばされ飛散する。

※この「フサザクラ」の解説は、「フサザクラ科」の解説の一部です。
「フサザクラ」を含む「フサザクラ科」の記事については、「フサザクラ科」の概要を参照ください。

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