フォーレ晩年の室内楽様式とは? わかりやすく解説

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フォーレ晩年の室内楽様式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 16:02 UTC 版)

ヴァイオリンソナタ第2番 (フォーレ)」の記事における「フォーレ晩年の室内楽様式」の解説

フォーレ創作期はしばし作曲年代によって第一期1860年 - 1885年)、第二期1885年 - 1906年)、第三期1906年 - 1924年)の三期分けられており、ヴァイオリンソナタ第2番第三期属する。本作は、フォーレ70歳超えてから取り組んだ一連の室内楽作品幕開け告げ作品であり、このヴァイオリンソナタつづいてチェロソナタ第1番作品1091917年)、ピアノ五重奏曲第2番作品1151921年)、チェロソナタ第2番作品1171921年)、ピアノ三重奏曲作品1201923年)、弦楽四重奏曲作品1211924年)が作曲された。 第1楽章用いられているカノン風の書法は、舟歌第11番作品105)や同第12番作品106bis)のコーダオペラペネロープ』(1912年完成第1幕最後部分でも用いられたもので、以降フォーレ室内楽作品にも特徴的に取り入れられた。また、左手宿命的なオクターヴ長いパラグラフ小節外面的効果のための劇的なコントラスト回避再現部コーダ展開部兼ねることによって慣例的なソナタ形式崩していることも、フォーレ晩年の室内楽様式を典型的に示す。 フランス哲学者ウラジミール・ジャンケレヴィッチは、この作品主調であるホ短調は、9つの前奏曲作品103)の第9番夜想曲10番作品99)、同第12番作品107)、歌曲集閉ざされた庭』(作品106)の「砂の上墓碑銘」、弦楽四重奏曲などと共通する調性であり、フォーレにとって峻厳なものを示すと指摘している。しかし、『クラシック音楽大系7 ロシアフランス』でフォーレの項を担当したロナルド・クライトンによれば40年上前作曲したヴァイオリンソナタ第1番見られ瑞々しさはこの作品にも驚くほど残されており、先行する歌曲集イヴの歌』や同『閉ざされた庭』、オペラペネロープ』などを「辛口ワイン」に例えつつ、「われわれはフォーレ新鮮な若さをここで取り戻したいえよう」と述べている。 なお、フォーレ晩年聴覚障害悩まされながら作曲活動続けており、次男フィリップは、伝記の中で「ヴァイオリンソナタ第2番冒頭部分や、チェロソナタ第1番アレグロ楽章などを聴いていると、彼が想像した音よりもはるかに低いところで弦が鳴り擦り切れて軋んでいるような印象を受ける。」と述べている。これについて、ネクトゥーは、熟慮の末の作風の変化聴覚の欠陥結びつけるのは誤った判断だと批判している。

※この「フォーレ晩年の室内楽様式」の解説は、「ヴァイオリンソナタ第2番 (フォーレ)」の解説の一部です。
「フォーレ晩年の室内楽様式」を含む「ヴァイオリンソナタ第2番 (フォーレ)」の記事については、「ヴァイオリンソナタ第2番 (フォーレ)」の概要を参照ください。

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