フィルタリングサービス
「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が6月11日に成立しました。インターネットは便利な道具ですが、例えば、インターネットの情報によって自殺が多発したり、学校裏サイトでいじめが起きたり、負の側面も無視できません。こうした有害な情報をできる限り青少年に見せないようにしようというのが法律の目的です。
とくに問題になるのが携帯電話です。携帯電話は「いつでも、どこでも、だれでも」インターネットに接続できるユビキタス社会のキーになる端末ですが、小学生の27%、中学生の56%、高校生にいたっては95%が携帯電話でインターネットを利用しています。このため有害情報の氾濫は無視できない状況となっています。07年の出会い系サイトに関連した事件の検挙件数は1753件、被害者のうち18歳未満は1100人、その95・5%が携帯から同サイトにアクセスしていました。
有害サイト対策としてフィルタリングという方法があります。携帯電話会社が有害情報へのアクセスを制限する手法です。総務省は07年12月にフィルタリング導入促進を携帯電話会社に要請し、会社も対応してフィルタリングサービスの利用者は増加しています。だが携帯はパソコンと違い、携帯電話会社がゲートウエー(出入り口)で一括してフィルタリングするため、利用者の選択権が配慮されず、有害でないコミュニケーションサイトなどへのアクセスも制限されるといった問題があります。法律は保護者の申し出がない限り、携帯電話会社にフィルタリングサービスの提供を義務付けています。
問題は情報の有害性をだれが判断するのかです。総務省の検討会が4月下旬にまとめたフィルタリングサービスのあり方の中間報告では、政府や通信会社、コンテンツ事業者から独立した民間の第三者機関が青少年に対する有害性を調べ、利用可能なコンテンツを認定する仕組みを提案しています。法律も有害性の認定に国が関与することを排除しています。
しかし法律による一律の規制は民主主義の根幹である憲法21条の表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密に触れる恐れもあることから、日本新聞協会などのメディアの団体、コンテンツ業界、インターネット関連業界などが懸念を表明しています。表現の自由などを侵害しないように法律を適切に運用すること、同時に関連業界も青少年を有害情報から守るための取り組みを強化することが求められるといえるでしょう。
法規制やフィルタリング技術の向上によって、青少年が有害情報にアクセスするリスクを減らすことができてもゼロにはできません。最も重要なことは、怪しげなサイトにアクセスしないことに加え、ネット上の情報を正しく判断できる能力を身につけることではないでしょうか。
(掲載日:2008/06/20)
とくに問題になるのが携帯電話です。携帯電話は「いつでも、どこでも、だれでも」インターネットに接続できるユビキタス社会のキーになる端末ですが、小学生の27%、中学生の56%、高校生にいたっては95%が携帯電話でインターネットを利用しています。このため有害情報の氾濫は無視できない状況となっています。07年の出会い系サイトに関連した事件の検挙件数は1753件、被害者のうち18歳未満は1100人、その95・5%が携帯から同サイトにアクセスしていました。
有害サイト対策としてフィルタリングという方法があります。携帯電話会社が有害情報へのアクセスを制限する手法です。総務省は07年12月にフィルタリング導入促進を携帯電話会社に要請し、会社も対応してフィルタリングサービスの利用者は増加しています。だが携帯はパソコンと違い、携帯電話会社がゲートウエー(出入り口)で一括してフィルタリングするため、利用者の選択権が配慮されず、有害でないコミュニケーションサイトなどへのアクセスも制限されるといった問題があります。法律は保護者の申し出がない限り、携帯電話会社にフィルタリングサービスの提供を義務付けています。
問題は情報の有害性をだれが判断するのかです。総務省の検討会が4月下旬にまとめたフィルタリングサービスのあり方の中間報告では、政府や通信会社、コンテンツ事業者から独立した民間の第三者機関が青少年に対する有害性を調べ、利用可能なコンテンツを認定する仕組みを提案しています。法律も有害性の認定に国が関与することを排除しています。
しかし法律による一律の規制は民主主義の根幹である憲法21条の表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密に触れる恐れもあることから、日本新聞協会などのメディアの団体、コンテンツ業界、インターネット関連業界などが懸念を表明しています。表現の自由などを侵害しないように法律を適切に運用すること、同時に関連業界も青少年を有害情報から守るための取り組みを強化することが求められるといえるでしょう。
法規制やフィルタリング技術の向上によって、青少年が有害情報にアクセスするリスクを減らすことができてもゼロにはできません。最も重要なことは、怪しげなサイトにアクセスしないことに加え、ネット上の情報を正しく判断できる能力を身につけることではないでしょうか。
(掲載日:2008/06/20)
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