ファルネーゼ‐きゅうでん【ファルネーゼ宮殿】
読み方:ふぁるねーぜきゅうでん
イタリア北東部、エミリアロマーニャ州の都市ピアチェンツァにあるルネサンス様式の宮殿。16世紀半ばから約200年に渡りピアチェンツァを支配したファルネーゼ家の居館として、17世紀初頭に建造された。現在は市立博物館になっており、ボッティチェリ作「聖母子像」をはじめ16世紀から17世紀にかけての絵画、古代の彫刻、武器、中世から近世にかけての陶器やガラス工芸品などを展示する。パラッツォファルネーゼ。
イタリアの首都ローマにあるルネサンス様式の宮殿。後のローマ教皇パウルス3世となる枢機卿(すうききょう)アレサンドロ=ファルネーゼの命により建造。初めはアントニオ=ダ=サンガッロが設計し、途中でミケランジェロが引き継ぎ、16世紀半ばに完成した。現在はフランス大使館として使用されている。パラッツォファルネーゼ。
パラッツォ・ファルネーゼ


パラッツォ・ファルネーゼ(1530~46年、伊: Palazzo Farnese)は、ローマにある盛期ルネサンスの代表作[1]。別名ファルネーゼ宮とも。現在はイタリアにおけるフランス大使館として使われている。
歴史
バニスター・フレッチャー卿が「16世紀のイタリア建築においては最も壮大で素晴らしい建築である」と評したこの建物は、ドナト・ブラマンテの下でサン・ピエトロ大聖堂の建造に携わったアントニオ・ダ・サンガッロ・イル・ジョヴァネの設計。妹ジューリアが教皇アレクサンデル6世の愛人となったという事もあり、1493年に枢機卿に抜擢されたアレッサンドロ・ファルネーゼの命で1~2年の準備期間の後[2]、1515年から建造がはじまったが1527年のローマ略奪の時には作業は中断に追い込まれた。
1534年1月、ファルネーゼが教皇パウルス3世になった時には、3階部分のコーニスの完成と中庭のデザインを変更の為にミケランジェロを雇い、ファルネーゼ家の威信の象徴を造らせた。その厳格なファサードは前に広がるピアッツァ(広場)からみても多大なる存在感を放っており、特徴的なのがピアノ・ノービレ(主階)の窓上部にある互い違いのデザインが並ぶペディメントや中央の飾り気のない玄関、ミケランジェロの手掛けたコーニスである。中央の窓はファルネーゼが教皇になった時に変更されたもので、教皇冠の紋章ではローマ帝国時代の中では最大のものを支える為のアーキトレーブが加えられた[3]。このパラッツォ(宮殿)は1534年と1541年に再設計され、元の設計者サンガッロの没年1546年からはミケランジェロの指示による修正が行われた。
関連項目
脚注
- ^ 『新装版 図説 西洋建築の歴史』河出書房新社、2022、64頁。
- ^ The definitive date, based on new documentary information was published by Christoph Frommel, (in A. Chastel, ed. Le palais Farnèse; Murray 1963 cited construction beginning in 1513, Giedion in 1514
- ^ "The incredibly pretentious magnificence of this residence for a single man points to the imminence of Baroque.... This monumental window seems to await the arrival of the great overlord who is about to show himself to the populace", remarked Siegfried Giedion, Space, Time and Architecture (1941) 1962, pp 56-57.
参照
- Murray, Peter (1963). The Architecture of the Italian Renaissance. Schocken Books, New York. pp. 158–164
外部リンク
- Romeartlover site with 1765 print by Giuseppi Vasi
- Romeartlover entry for Farnese
- Satellite photo- The Palazzo Farnese is the massive, almost square, court-yarded structure in the center of the photo, to the North of the Tiber. The smaller bracket-shaped building southwest (lower) across the Tiber is the Villa Farnesina.
- Farnese Palace
- ファルネーゼ宮殿のページへのリンク