ビタミンよう‐ぶっしつ〔‐ヤウ‐〕【ビタミン様物質】
ビタミン様物質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 01:22 UTC 版)
ビタミンではないにも関わらず、俗にビタミンもしくはビタミン様物質と呼ばれる物質がいくつかある。 ビタミン様物質のなかには、歴史的には誤ってビタミンと考えられたもの、あるいは定義の変更によりビタミンとされなくなったものも含まれる。一例: 生物から抽出して得られた混合物をそのままビタミンとしたり、他の研究者と独立に命名を行ったりしたために、他のビタミンと重複しているもの(ビタミンB10など) 正確な化学構造、化学物質名が不明なもの(パンガミン酸など) 体内でも合成されるため必須ではないもの(ヒト以外のある種の生物にとっては必須だが、ヒトには必須でないものを含む)(オロト酸、カルニチンなど) 炭水化物・タンパク質・脂質のいずれかに分類されるためビタミンの定義から外れるもの(ビタミンFなど) 必要摂取量が多すぎるため通常はビタミンとして扱わないもの(コリンなど) 薬理作用はあるが必須ではないもの(塩化メチルメチオニンスルホニウムなど) 実際には何の働きもないもの、むしろ害になるもの(アミグダリンなど) 以下には過去に誤ってビタミンと考えられた物質を挙げるが、俗にビタミン様物質と呼ばれているものはこれらに限らず、ビタミン様物質とすら呼ぶべきでない物質や同定できない物質も含まれている。 ビタミンB4: アデニン ビタミンB8: エルガデニル酸(Ergadenylic acid、アデニル酸) ビタミンB10: 葉酸はじめ各種ビタミンB群の混合物。ビタミンRともいった。 ビタミンB11: 葉酸類似化合物。ビタミンSともいった。 ビタミンB13: オロト酸 ビタミンB14: 葉酸またはリポ酸などの混合物。 ビタミンB15: パンガミン酸(ジメチルグリシンやトリメチルグリシンなどの誘導体とされる) ビタミンB16: ジメチルグリシン ビタミンB17: アミグダリン ビタミンBH: イノシトール ビタミンBP: コリン ビタミンBT: カルニチン ビタミンBX: パラアミノ安息香酸(葉酸の部分構造、別名:PABA) ビタミンF: リノール酸などの必須脂肪酸 ビタミンI: 米糠の抽出物。かつてはビタミンB7とも呼ばれた。 ビタミンJ: カテコール、フラビンまたはコリン ビタミンL1: アントラニル酸 ビタミンL2: アデニルチオメチルペントース ビタミンN: チオクト酸(α-リポ酸) ビタミンO: カルニチン ビタミンP: クエルセチン、ヘスペリジン、ルチン、エリオシトリンなどのフラボノイド ビタミンQ: ユビキノン ビタミンS: サリチル酸(上記のビタミンB11とは全く別の物質) ビタミンT: テゴチン ビタミンU: 塩化メチルメチオニンスルホニウム(キャベジンとも呼ばれる) ビタミンV: ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
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