ヒブダイとは? わかりやすく解説

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ヒブダイ

学名Scarus ghobban 英名:Blue barred
地方名アガイ 
脊椎動物門硬骨魚綱スズキ目ブダイ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
ヒブダイは雄・雌により生息場所体色異なる。雄は各うろこに大きめの青い色の斑点があるために全体的に青っぽいが、青い帯は入っていない。雌の体色黄色っぽく青い帯が横に入っている。生息場所については雄は岩礁外側斜面単独行動をしているが、雌はサンゴ礁いたるところマングローブの林根元海藻生えているところで小さな群れをなして生息している。雌雄とも主に小さめ藻類食べるが小動物食べることもある。ブタイ類の中で食用として最もおいしいので市場では高値取り引きされる。

分布:小笠原諸島紀伊半島以南紅海パナマハワイ諸島イースター島除く) 大きさ:80cm
漁法:  食べ方: 

ヒブダイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/14 07:48 UTC 版)

ヒブダイ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ベラ亜目 Labroidei
: ブダイ科 Scaridae
: アオブダイ属 Scarus
: ヒブダイ S. ghobban
学名
Scarus ghobban
Forsskål, 1775[2]

ヒブダイ(学名:Scarus ghobban)は、ブダイ科に分類される海水魚の一種。インド太平洋に分布する。IP(始相)の黄色い体色が特徴である。岩礁サンゴ礁に生息し、藻類底生生物を捕食する。ブダイ科の中でも美味な種とされ、沖縄では高級魚として取引されている。

分類と名称

1775年にスウェーデン博物学者であるペテル・フォルスコール英語版によって記載され、タイプ産地はおそらく紅海ジッダであった。現在はベラ目英語版ベラ科に分類する見解がある[3]。種小名は紅海沿岸での本種の呼び名に由来する[4]。blue-barred parrotfish、blue trim parrotfish、cream parrotfish、globe-headed parrotfish、green blotched parrotfish、yellow scale parrotfish、bluechin parrotfishなどの英名がある[1]

シノニム

FishBaseによると、以下のシノニムが知られている[5]

  • Callyodon ghobban (Forsskål, 1775)
  • Scarus guttatus Bloch & Schneider, 1801
  • Callyodon guttatus (Bloch & Schneider, 1801)
  • Scarus maculosus Lacepède, 1802
  • Scarus pepo Bennett, 1830
  • Scarus reticulata Swainson, 1839
  • Hemistoma reticulata (Swainson, 1839)
  • Scarus lacerta Valenciennes, 1840
  • Scarus dussumieri Valenciennes, 1840
  • Callyodon dussumieri (Valenciennes, 1840)
  • Scarus scabriusculus Valenciennes, 1840
  • Scarus magrathii Bennett, 1841
  • Scarus pyrrostethus Richardson, 1846
  • Scarus haridoides Bleeker, 1855
  • Pseudoscarus cantori Bleeker, 1861

分布と生息地

東アフリカからインドネシアガラパゴス諸島[6]日本を経て、南はオーストラリア、東はフランス領ポリネシアまで、インド太平洋全域に広く分布する[2]。日本では伊豆・小笠原諸島神奈川県以南の太平洋岸、南西諸島で見られる[7]。2001年にはスエズ運河を経由して、イスラエル沖の地中海で初めて記録され、現在はレバントで北に分布を広げているが、依然として希少である[8][9]。幼魚は遠洋性であり、地域的な海流によって遺伝子流動が促進され、高い遺伝的多様性を生み出している[10]。砂底や海草藻場サンゴ礁の縁辺部や深場に生息する[1]

形態

体色は青緑色から緑色で、体長は通常約46cmに成長する。外観は個体差が大きく、背鰭と臀鰭の中央にピンク色の縞模様が見られることがある。腹面はピンク色または黄色がかった色をしている。胸鰭周辺には青い模様が見られることもある[6]。IP(始相)は黄色の体に、5本の青色横帯が不規則に入る[7]。全長は75cmを超える。背鰭は9棘と10軟条から、臀鰭は3棘と9軟条から成る。胸鰭条数は13-15本。唇は主に歯板を覆う。尾鰭は小型の雌では丸みを帯び、大型の雄では上下が長く伸びる[5]

生態

成長が早く、寿命は最大13年である。小さな群れで行動する傾向がある[1]藻類底生生物を捕食する[7]。下顎骨を高速で回転させることができるため、微細な堆積物の輸送を促進する[11]。雌は水中に卵を放出し、卵は受精後約25時間で孵化する。仔魚は急速に成長するため、親魚の近くに長時間留まる必要が無い[12]雌性先熟雌雄同体で、生後7年ほどで性転換する[5]

人との関わり

食用として大量に漁獲されており、他の漁業による混獲も多々あるが、現時点では絶滅の危機に瀕していない。他のブダイ類と同様に、ある程度サンゴ礁に依存しており、サンゴ礁の継続的な劣化の影響を受ける可能性が高い[1]。ブダイ科の中でも美味な高級魚とされている。沖縄では「アーガイ」と呼ばれ、刺身や汁物で食べられる[7]

脚注

  1. ^ a b c d e Choat, J.H.; Myers, R.; Russell, B.; Clements, K.D.; Rocha, L.A.; Lazuardi, M.E.; Muljadi, A.; Pardede, S. et al. (2012). Scarus ghobban. IUCN Red List of Threatened Species 2012: e.T190705A17798394. doi:10.2305/IUCN.UK.2012.RLTS.T190705A17798394.en. https://www.iucnredlist.org/species/190705/17798394 2025年4月12日閲覧。. 
  2. ^ a b McGrouther, Mark (2021年1月25日). “Bluebarred Parrotfish, Scarus ghobban Forsskål, 1775”. Australian Museum. 2025年4月13日閲覧。
  3. ^ CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Scarus”. researcharchive.calacademy.org. 2025年4月13日閲覧。
  4. ^ Order LABRIFORMES (part 2): Family LABRIDAE (i-x)”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf (2025年1月27日). 2025年4月13日閲覧。
  5. ^ a b c Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2019). "Scarus ghobban" in FishBase. December 2019 version.
  6. ^ a b Scarus ghobban”. 2025年4月13日閲覧。
  7. ^ a b c d 馬渕浩司 (2018)「ヒブダイ」中坊徹次(編/監修)『小学館の図鑑Z 日本魚類館』p.341、小学館、ISBN 978-4-09-208311-0
  8. ^ Atlas of Exotic Fishes in the Mediterranean Sea. 2nd Edition.. CIESM Publishers. (2021-6). pp. 200-201. https://ciesm.org/atlas/fishes_2nd_edition/Scarus_ghobban.pdf 
  9. ^ Bariche, Michel; Saad, Mohammed (2009). “Settlement of the lessepsian blue-barred parrotfish Scarus ghobban (Teleostei: Scaridae) in the eastern Mediterranean”. Marine Biodiversity Records 1: e5. doi:10.1017/S1755267205000497. 
  10. ^ Visram, Shakrim (2010). “Genetic connectivity and historical demography of the blue barred parrotfish (Scarus ghobban) in the western Indian Ocean”. Marine Biology 157 (7): 1475. doi:10.1007/s00227-010-1422-8. 
  11. ^ Melgarejo-Damián, M. P.; González-Acosta, A. F.; Cruz-Escalona, V. H.; Moncayo-Estrada, R. (2017). “A comparison of feeding biomechanics between two parrotfish species from the Gulf of California” (英語). Zoomorphology 137 (1): 165–176. doi:10.1007/s00435-017-0383-6. ISSN 0720-213X. http://link.springer.com/10.1007/s00435-017-0383-6. 
  12. ^ Jonna, R (2021年). “Scaridae”. Animal Diversity Web. 2025年4月13日閲覧。

関連項目

  




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