ヒト遺伝子の探求
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 19:59 UTC 版)
「かずさDNA研究所」の記事における「ヒト遺伝子の探求」の解説
1990年代、ヒトのゲノム配列やDNAを解明するヒトゲノム計画(ヒトゲノムプロジェクト)が進展する中、開所当時(平成6年)から構造解析を行い、約2,000種のヒト遺伝子の塩基配列を解明(ヒト遺伝子は約2万種の約1割に相当)。ヒト長鎖cDNA解析により発見した遺伝子は、KIAAの番号が付けられ、公的データベース(ヒト遺伝子データベース(HUGE))に登録・情報公開、及び遺伝子配布をした。のちに、多くの研究者との連携の結果、それらの多くのが疾病関連遺伝子であることが示唆された。2004年、この2,000種のヒト長鎖cDNAに相応する約1,000のマウスcDNAクローンや抗体についてのデータベースを整備・公開。国内外の研究者が研究に利用できるようになった。 1998年(平成10年)、通産省が主導する「完全長ヒトcDNAヒトプロジェクト(FLプロジェクト)」に参画。NEDO事業として実施され、東京大学医学研究所・ヘリックス研究所とともに、ヒトのcDNAを提供(これを基に10数社の企業が分担して解析を実施)。 2001年(平成13年)11月、理化学研究所と共同研究契約を締結し、ヒトのゲノム情報に基づくタンパク質の発現、立体構造解析の共同研究をスタート。かずさDNA研究所が発見したヒトcDNAクローンを基に、理化学研究所が保有する核磁気共鳴装置や大型放射光施設を活用して解析を実施。その後、腫瘍壊死因子に係るタンパク質の機能解明など、多くの共同研究が実施された。 2004年(平成16年)4月、バイオ産業情報化コンソーシアム、産業技術総合研究所、遺伝学研究所が公開した「完全長ヒトcDNAに基づくヒト遺伝子統合データベース(H-Invitational Database)」にも貢献。このデータベースの整備にあたり、各国の協力のもと、世界中のほぼ全ての完全長ヒトcDNA配列情報の収集がなされ、その成果は著者158名による大論文となった。 2007年(平成19年)、米国国立衛生研究所(NIH)が主導する、ヒト遺伝子のカタログ化を目指す国際遺伝子コンソーシアム(ORFeome Collaboration)に理化学研究所とともに参加。単離したヒト遺伝子クローン(KIAAクローン)の提供等で協力。その結果、研究所の独自成果であるヒト遺伝子資源を、ヒトORF cDNAコレクションを保有、配布することが可能となった。
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