パワージェット
固定ベンチュリー式のキャブレーターにおいて、高出力を得るため、一時的に空燃比を濃くし、余分に燃料を供給するジェット。スロットル開度や吸入負圧によりエンジンの出力状態を検出し、自動的に付加燃料を供給するようになっている。電子制御式燃料噴射装置の普及とともに姿を消した。
パワージェット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/07/20 14:54 UTC 版)
パワージェット (PowerJet) は、2004年7月に設立されたスネクマとNPOサトゥールンが50:50で出資する合弁事業である。 スホーイ・スーパージェット100等のリージョナルジェット用ターボファンエンジンであるSam146計画の監督と調査、生産、販売、販売後の支援を行う。
パワージェットはフランスとロシアに2つの運用部門を持つ。
概要
スネクマ(サフラングループ)は長らく推力8~15トンの規模のエンジンを生産するアメリカのGE・アビエーションとの合弁事業であるCFMインターナショナルの製品の提供を多様化し、補完する推力4~8トンの規模の小型の旅客機用のエンジンの市場への参入を模索していた。
1990年代半ばにスネクマはCFM56のより小型版であるCFM56 "Lite"を開発する為に合弁相手を説得しようとした。ラファール戦闘機のエンジンであるM88の高圧ユニットを流用するという提案もあった。これらの提案はいずれも予備調査の段階を通過する事はなかった。
NPOサトゥールン(別名リューリカ)は長年、Su-27のようなスホーイのエンジンを開発、生産して来た。
スホーイは2001年に60席から95席の近距離旅客機のシリーズのロシアン・リージョナルジェット(2006年にスホーイ・スーパージェット100に改名した)計画を立ち上げた。エンジンを共同開発するためにスネクマとNPOサトゥールンの出資比率が50/50の合弁事業が設立された。
今後の見通し
中期的には推力82 kN (8.35 トン)以上のエンジンを生産するCFMインターナショナル CFM56と競合しない領域においてSaM146を原型としてスホーイ以外の航空機用(ボンバルディア CRJ、エンブラエル等)や(ダッソー ファルコン 20のような)ビジネスジェット用の複数のエンジンの開発することによってシリーズ化を目論む。
ロシアの市場での見通においてスネクマはフランスの民間航空業界での評判とCFMインターナショナルの国際的な整備網の恩恵を存分に受けると見られる。
外部リンク
パワージェット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 01:55 UTC 版)
パワージェット(パワーバルブ)は、高回転高負荷時にメインジェットからの燃料供給を補助する機構である。スロットルバルブ全開付近の領域で空燃比を濃くして出力を高くする。同時に、空燃比を高くすると混合気の比熱比が小さくなるうえ、燃料の気化熱が増えるので燃焼室の過熱を防ぐ(燃料冷却という)。これにより、プレイグニッションやデトネーションを防ぐ働きがある。パワージェットは、吸気管内の圧力とスプリングで開閉制御されるバルブで、吸気管内の負圧が強い時は閉じており、スロットルバルブが開いて負圧が弱くなると開くようになっている。 パワージェットはそのエンジンの特性に応じて補正する燃料量が厳密に設定されるため、オートバイ用キャブレターなどの場合にはあらかじめ設定が固定されており、一部の市販レーサー車両を除いて調整が不可能な場合が多い。 初期の2ストロークエンジンに用いられたパワージェットの中には、4ストロークエンジンのパワージェットとは逆に、吸気管内が強い負圧状態のときに開き、弱くなると閉じる設定のものが用いられているキャブレターが存在した。これは、全開領域で混合比がやや薄めになることで、より高回転まで回転が伸びていく2ストロークエンジンの特性を活かしたものである。このような動作をするキャブレターの場合には、常用回転域では常にパワージェットから燃料が供給されるため、メインジェットはパワージェットがない同サイズのキャブレターよりもやや薄めの番手が選択される。しかし、エンジン高回転域で過度にパワージェットからの燃料供給を減らすとエンジン焼き付きのリスクが大きくなる。近年の2ストロークエンジンのパワージェットはもっとシンプルな構成であり、バルブはなく、フロート室から上流側の天井部分にバイパスが設けられているだけである。これにより、吸入負圧が大きくなったときのみ、燃料が吸い出される。 いくつかの固定ベンチュリー型キャブレターではパワージェットの代わりとなる高回転高負荷時の増量機構として、可変ベンチュリー型のジェットニードルと同じメータリングロッドやステップアップロッドと呼ばれる機構を用いるものもある。メータリングロッドとは全体がテーパー状に加工されている棒であり、メインジェットにある燃料通路孔に差し込まれている。メインジェットの流路面積は不変であるため、メータリングロッドを出入りさせると燃料通路の断面積を変化させることができる。メータリングロッドは吸入負圧により上下するバキュームピストン(ダイアフラム)もしくはスロットルリンケージに取り付けられており、スロットルバルブを開くとメインジェットから強制的に引き抜かれて、メインジェットの燃料流量を次第に増量していく。
※この「パワージェット」の解説は、「キャブレター」の解説の一部です。
「パワージェット」を含む「キャブレター」の記事については、「キャブレター」の概要を参照ください。
- パワージェットのページへのリンク