デジタル回路
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/10 15:54 UTC 版)
デジタル回路(デジタルかいろ、英: digital circuit - ディジタル回路)は、アナログ回路に対比してデジタル表現された電気信号の論理演算、相互変換、蓄積及び伝達などを行う[1]、離散的な電位範囲など[注釈 1]を情報の表現に用いる電子回路で、論理回路の実現法のひとつである。信号レベルが公差、減衰、ノイズなどで若干変動したとしても、しきい値[注釈 2]の範囲内ならば無視され、いずれかの状態として扱われる。許される範囲に間隔が設定されていて、「いずれの状態でもない」という異常として検出されるといった場合もある。
注釈
- ^ 他にも、基準となる交流波に対する位相差、電圧ではなく電流ベースなど、いろいろありうる。
- ^ 具体的に許される範囲は異なる。仕様などでは中間に必ず「定常的な状態として、この範囲にしてはならない」という範囲があることが多い。シュミットトリガなど故意にヒステリシスを大きく取り、直前の状態に引きずられるものとして、これを避けることもある。ただしそれでも、非同期系から同期系へのインタフェースには、必ず、セットアップ時間とホールド時間という、何らかのタイミングの瞬間の前後に変動が許されない期間があるため、完全には、準安定状態の可能性を無視してはいけない(en:Metastability in electronics)。
- ^ 増幅と同調の順序といった具体的な構成は実例により様々であろう(複同調といった構成もある)。
- ^ TTLの出力電圧範囲の入力を許容するCMOSの標準ロジックICもあり、このようなシリーズは「74HCT~」「74ACT~」のように、型番に「T」の文字が入っている。
- ^ 大小異なる抵抗を持つ2つの抵抗器を並列に接続した場合、電流は小さな抵抗側により多く流れて、大きな抵抗側には電流はそれほど流れない。抵抗値の大きなプルアップやプルダウンの抵抗器の有無は端子に接続された状態での動作にはそれほど影響しない。
- ^ 英: high-impedance
- ^ 英: three-state
- ^ 英: gate
- ^ 英: enable
- ^ 英: output enable
- ^ 英: chip select
- ^ MIL-HDBK-217F notice 2, section 5.3 での10万ゲートの0.8μmCMOS商用集積回路を40℃で使用した場合の値。2010年にはプロセスルールが0.045μmまで小さくなり、ゲート毎に必要なチップ外の接続が少なくなっているため、さらにMTBFが延びている。
出典
- ^ "ディジタル回路". 改訂新版 世界大百科事典. コトバンクより2024年3月10日閲覧。
- ^ ポール・ホロヴィッツ、ウィンフィールド・フィル共著「The Art of Electronics」第二版、ケンブリッジ大学出版局、1989年。ISBN 0-521-37095-7、471ページ
- ^ Brown S & Vranesic Z. (2009). Fundamentals of Digital Logic with VHDL Design. 3rd ed. New York, N.Y.: Mc Graw Hill.
- ^ ヴィリアム・クライツ(2002年)「Digital and Microprocessor Fundamentals: Theory and Application」第4版、ピアソン・プレンティスホール
ハイ・インピーダンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 20:57 UTC 版)
「デジタル回路」の記事における「ハイ・インピーダンス」の解説
1つの信号線に対して、信号を出力する素子を複数接続しているバス構造を用いる場合、信号を出力しようとしている素子とその信号を受信しようとしている素子のみがバスを通じて電気的に接合されていなければならない。回路の制御を誤って、不必要な複数の出力回路が同時に接続されてしまうと、回路間に電流が回り込んでしまい素子の破壊につながる。 この破壊を避けるためには、信号を出力する素子以外の出力回路については、全て電気的に絶縁しなければいけない。このように、出力している信号線以外を電気的に切り離した状態をハイ・インピーダンスと呼び、HighでもLowもない第三の状態として扱う。ハイ・インピーダンス状態は記号では「Z」で示される事が多い。 しかし、入力端子につながっている全ての出力端子がハイ・インピーダンス状態になった場合、入力端子には電気的に何も接続されていないのと同じになり(「浮いている」状態)、今度は、先に述べたような電磁誘導等による誤動作や素子破壊を伴うような状態におかれてしまう。このため、対策として、ハイ・インピーダンス状態を伴う信号線にはプルアップまたはプルダウンをするのが常套手段となっている。 ハイ・インピーダンス出力と似たものとして、オープンコレクタ出力がある。これは、出力が論理1の時にはLの電圧を出力するが、論理0の時にはHの電圧を出すのではなくハイ・インピーダンス状態になるという出力素子である。(負論理の出力になっている) 論理0の時にハイ・インピーダンスになるので、複数のオープンコレクタ出力の出力信号を単純に接続してしまった上でプルアップしておけば、出力のどれかが論理1になった時にLになる(全ての出力が論理0の時にはHになる)という回路になり、これは(負論理の)論理和を演算していることになる。このように、論理和用のデジタル回路素子を使うこと無く論理和を実現する回路のことを「ワイアードオア」と呼ぶ。 なお、オープンコレクタ出力の端子は、一般の出力端子よりも多く電流を流すことができるという特性も持つため、アナログ回路による電流増幅器を介すること無く、直接LEDを点灯させるなどの周辺装置の駆動ができる。
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