ファンアウト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/15 01:39 UTC 版)
ファンアウト(Fan-out)は、論理ゲートの一つの出力に接続可能な入力回路の最大数である[1] [2]。
TTLの場合
TTLの出力は、流せる最大電流が決まっているので、接続できる入力数に限界がある[1]。
IOH:出力回路の最大ソース電流(入力へ送る電流)
IOL:出力回路の最大シンク電流(入力から受ける電流)
IIH:入力回路をHiにするために必要な電流
IIL:入力回路をLoにするために必要な電流
ファンアウト(出力Hi時)= IOH / IIH
ファンアウト(出力Lo時)= IOL / IIL
上述の2つあるファンアウトの中から少ない方のファンアウトを選ぶ。
CMOSの場合
CMOSの場合、入力回路に電流はほとんど流れない。その反面、出力回路が入力回路の入力容量を充電する必要がある[1][2]。
CL:出力回路の負荷容量
CIN:入力回路の入力容量
ファンアウト = CL / CIN
関連項目
ファンイン - 論理ゲートが処理できる入力数
出典
- ^ a b c "ファンアウトの意味と計算方法". analogista.jp. 2023年1月13日閲覧。
- ^ a b "ファンアウトとはなんですか?". toshiba.semicon-storage.com. 2023年1月13日閲覧。
ファン・アウト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 20:57 UTC 版)
デジタル回路では、ひとつの出力端子に複数の後段回路の入力がつながることはごく普通に行われる。出力端子につながれた入力端子の数のことを、出力端子を扇の要に見立てて、ファン・アウトと呼ぶ。 デジタル回路では電圧値により情報を素子から素子に伝達するが、この際電気回路であるから当然電流の流れが伴う。具体的には、出力側のレベルをLにする為には、出力端子が後ろの回路から電流を吸い込む動作をし、出力側のレベルをHにする為には、出力端子が後ろの回路に電流を吐き出す動作をする。 TTLのように、入力端子に流れ込んだり、入力端子から流れ出したりする電流が比較的大きな素子で回路を組む場合、前段の出力側素子の電流駆動能力によって、ファン・アウトの数が制限されてくる。 TTLの場合、標準タイプ・LSタイプ・ALSタイプなど様々なタイプのシリーズがあるが、そのシリーズ内の規格により出力端子の駆動能力と、入力端子が吸い込む(または吐き出す)電流の最大値が規格化されているため、同じシリーズのIC同士であれば、ファンアウトの制限値は同じになる。 ただし、多数の入力に信号を分配する目的のために、同じ論理回路でもファン・アウト値を大きくした回路素子が用意されている。そういう回路素子は論理的には何もしない、または反転するだけの単純なものである事が多く、バッファ、バスバッファ、ドライバなどと呼ばれる。 違ったタイプのシリーズを組み合わせて使う場合には、それぞれのデータシートを調べて、接続出来る個数を確認する必要がある。 CMOS型ロジックの場合は、入力端子は内部インピーダンスが高くつくられている(電源線や接地線に対する抵抗値が高い)ため、定常状態での電流値は微々たるものであるが、たくさんの入力端子を接続すると、それぞれの端子と配線部分の静電容量が並列接続されることにより、出力側から見た容量性負荷が増大する。このため、出力側素子の駆動能力が足りないと、HからL、LからHの状態遷移に時間が掛かることになり、これが回路動作上の制約となるため、やはり後段につなげられる入力端子の個数は制限される。
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