メクラチビゴミムシとは? わかりやすく解説

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メクラチビゴミムシ

(ノコメメクラチビゴミムシ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/31 06:16 UTC 版)

メクラチビゴミムシチビゴミムシ亜科ゴミムシのうち、地下生活に強く適応した結果複眼を失った一群の総称である。かつては洞窟で進化した洞穴生物と考えられた。しかし、洞穴生物学の研究の進展により、土壌より下層の地下浅層と呼ばれる層で、風化した岩石の間に形成された間隙に適応して進化した昆虫であり、洞窟以外でも地下の広い範囲に生息することが明らかになった。


注釈

  1. ^ 2020年現在、環境省レッドリスト(昆虫類)にて絶滅種に選定されている種はこの2種とスジゲンゴロウ Prodaticus satoi ・キイロネクイハムシ Macroplea japana (いずれも甲虫目)の計4種である[1]
  2. ^ 日本応用動物昆虫学会および日本昆虫学会は「メクラカメムシ」について長野県庁から「差別的な和名ではないか」との指摘を受け、専門家グループによる検討の結果、「カスミカメムシ」に改名した[2]。また日本魚類学会は2000年(平成12年)10月に約30種類の魚(バカジャコ・メクラウナギなど)の差別的名称を考えるシンポジウムを開催して改名を検討し[2]、2007年(平成19年)までに「バカジャコ」「イザリウオ」などの標準和名を改名することを決定[3]。「バカジャコ」は「リュウキュウキビナゴ」に、「イザリウオ」は「カエルアンコウ」に[4]、「メクラウナギ」は「ヌタウナギ」などのように改名された[5]
  3. ^ 「大内洞」は旧:伊野町大内にあった横250 mの洞窟で「白蛇洞」の別名があった[10]。標高163 mの丘の北面に開口していた中規模の石灰洞だったが、石灰岩採掘により丘そのものが消滅した[9]。近隣地域(東西5.5 km、南北2.5 km)は本種を含め、系統の異なる4種のチビゴミムシ類が異所的に生息する生物地理学・系統学上きわめて重要な場所だった[9]
  4. ^ 原記載地(大内洞)より南方にて発見・採取されたメクラチビゴミムシが本種であることが確認された[11]

出典

  1. ^ a b 環境省 2020, p. 18.
  2. ^ a b c 高野聡「生き物界も差別語追放…「目がない」「小さい」特徴表現、「標準和名」改名の動き」『毎日新聞毎日新聞東京本社、2001年6月27日、東京夕刊社会面、9面。
  3. ^ 「バカジャコ」はダメ、差別語含む魚30種を改名へ」『YOMIURLI ONLINE読売新聞社、2007年1月6日。オリジナルの2007年1月8日時点におけるアーカイブ。
  4. ^ 差別的魚名「変えます」 バカジャコ、メクラウナギ…」『asahi.com朝日新聞社、2007年2月1日。オリジナルの2007年2月3日時点におけるアーカイブ。
  5. ^ 日本産魚類の差別的標準和名の改名最終勧告”. 日本魚類学会. 日本魚類学会 (2007年2月1日). 2020年11月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月8日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g 芦田 2008.
  7. ^ a b 芦田久(関西チビゴミ研究グループ代表). “日本産チビゴミムシ亜科目録, Web版>10. Genus Trechiama JEANNEL, 1927 ナガチビゴミムシ属”. 関西チビゴミ研究グループ. 2008年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月23日閲覧。
  8. ^ 芦田久(関西チビゴミ研究グループ代表). “日本産チビゴミムシ亜科目録, Web版>16. Genus Kusumia? S. UENO, 1952 キイメクラチビゴミムシ属”. 関西チビゴミ研究グループ. 2005年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月23日閲覧。
  9. ^ a b c d e 環境省 & ぎょうせい 2015, p. 3.
  10. ^ 満塩大洸, 高知大学学術探検部「高知県における洞穴の総括 -特に第四紀における環境変化に関連して-」『高知大学学術研究報告 自然科学』第50号、高知大学、2001年12月25日、67-80頁、ISSN 03890244NAID 110000430181 
  11. ^ Kazuki Sugaya; Ryo Ogawa; Yusuke Hara (2017年2月26日). “Rediscovery of the “extinct” blind ground beetle (Coleoptera: Carabidae: Trechinae)” (英語). Entomological Science (日本昆虫学会) 20 (1): 159-162. doi:10.1111/ens.12243. ISSN 14798298. https://doi.org/10.1111/ens.12243. 
  12. ^ 高知県レッドデータブック(動物編)改訂事業 改訂委員会 編『高知県レッドデータブック2018 動物編 高知県注目種ガイド高知県林業振興・環境部 環境共生課、2018年10月15日、175頁https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030701/files/2018092700119/file_201810103153657_1.pdf#page=214  - Archived 2020年4月23日, at the Wayback Machine.
  13. ^ 芦田久(関西チビゴミ研究グループ代表). “日本産チビゴミムシ亜科目録, Web版>12. Genus Rakantrechus??S. UENO, 1951 ラカンメクラチビゴミムシ属”. 関西チビゴミ研究グループ. 2005年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月23日閲覧。
  14. ^ a b c 環境省 & ぎょうせい 2015, p. 4.


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