洞内の動物相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 15:06 UTC 版)
河内風穴の動物相はこの地域の他の石灰洞に比べ非常に豊富である。ただし種数は佐目のコウモリ穴(佐目風穴)の方が僅かに多く、他の石灰洞から見つかっているガロアムシは未発見である。これらの洞窟からは多くの新種の洞窟記載と多くの洞窟動物の記録があり、生物学的に極めて重要な産地である。コバヤシミジンツボやカワチメクラチビゴミムシのように河内風穴の固有種 または鈴鹿山脈北部地域の固有種であるものは多い。そのうち、12種が河内風穴をタイプ産地として記載されている。 洞窟に生息する動物には、洞窟(またはそれに近い環境)で世代交代を繰り返す真洞穴性動物(地中性動物)および、それ以外の動物に大別される。後者は従来、ある時期に洞窟内に入る動物またはそれに寄生する動物である好洞穴性動物、および紛れ込んだ迷洞穴性動物に分けられていた。石灰洞の形成される歴史は極めて古く、その間に洞窟環境を好んで入る昆虫が知られており、世代交代を長い間繰り返すうちに環境に適応するため体型が進化していく状態が真洞穴性昆虫に多く見られる。 真洞穴性動物ではメクラチビゴミムシ類やチビシデムシといった昆虫類に加え、ヨコエビ類・トビムシ類・クモ類・ヤスデ類などの節足動物が棲息している。また、水流からはコバヤシミジンツボ Akiyoshia kobayashii、洞壁からはホラアナゴマオカチグサ Cavernacmella kuzuuensisといった、旧中腹足目の小型の巻貝が発見されている。 好洞穴性動物では、カマドウマやガなどの昆虫および、コウモリとそれに寄生するクモバエなどが棲息している。また、ニホンザル Macaca fustacaおよび コウモリ類 Microchiroptera gen. indet. sp. indet.の動物遺体が発見されている。これらの標本は樽野博幸によって同定され、大阪市立自然史博物館に保管されている。 河内風穴から発見された生物は以下の通りである。
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