洞内生成物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 16:23 UTC 版)
「西湖蝙蝠穴およびコウモリ」の記事における「洞内生成物」の解説
2018年現在、西湖コウモリ穴は有料一般公開されており、洞内環境に配慮した最低限の照明施設が整備されているが、所々に天井の非常に低い場所があるため、頭を保護するためのヘルメットが入洞受付で貸し出されている。洞内には、溶岩ドーム、縄状溶岩、溶岩棚など、溶岩洞穴特有の形状が多数見られる。 溶岩ドーム(Lava Dome)は、西湖コウモリ穴が形成された際、水蒸気を主体とするガスが1ヶ所に集まって出来たもので、西湖コウモリ穴で最も広いホール状の空間の中央付近には、直径約1.5メートル、高さ約50センチの溶岩ドームが現存している。 縄状溶岩(Corded Lava)は、西湖コウモリ穴を代表する景観のひとつで、溶岩の流れた方向の様子が分るものである。粘性の少ない溶岩が、傾斜のゆるい所に流れてきた際、熱く熱したマグマの表面は固結するが、内部は未だ柔らかいため、固結した上部の部分が薄皮のようになり、下部である内部の柔らかい部分の流動に引っ張られ、ロープを何本も並べたような凹凸の激しい縞模様が形成される(記事冒頭の画像参照)。 溶岩鍾乳石(Lava Stalactites)は、洞内天井部のところどころに滴(しずく)のように垂れ下がっているもので、マグマが外気に触れ冷えて固まる際にできたものである。洞内の天井が蒲鉾状になった部分に多く見られる。また蒲鉾状になった付近は天井の高さが1メートルほどしかない。 溶岩棚(Lava Shelf)は、マグマがまだ固まり切っていない柔らかい段階で洞穴の側面が剥がれ落ち、その後に固まったことにより棚のように見えるもので、西湖コウモリ穴の最奥部付近には2段、3段になったものが見られる。 また、西湖コウモリ穴特有のものとして、珪藻土線(Diatom Earth Line)がある。これは微生物の一種である珪藻という植物の遺骸が洞内の壁面に付着したもので、珪藻土の一種である。西湖コウモリ穴が形成された際に溶岩によって埋め立てられた剗の海の、かつての湖面標高水位を示すものと考えられており、この白く見えるラインの位置は、現在の西湖の湖面標高(900メートル)より約20メートル高い位置に当たる。 溶岩鍾乳石 珪藻土線 蒲鉾型の洞内 貸出のヘルメット
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