洞内の地形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 15:06 UTC 版)
構造支配型の横穴で多層構造を持つ。洞窟として近畿地方随一の規模 で、測量されている部分だけでも総延長約10,020 mとされている(イザナギプロジェクトによる調査結果)。 石灰洞の形成は石灰岩中の割目に沿って溶蝕が進行することにより起こり、そこで形成された空洞は水流による浸食とともに割目に沿う崩壊によって拡大していく。割目系の影響を受けて形成が進行するため、石灰洞の成因及び発達の歴史を考える上では割目系の分布とそれに伴う空洞形成に注目する必要がある。河内風穴全体の割目系は、WNW-ESE系(EW90°前後)、N-S系(NS90°前後)、NE-SW系(N40°-60°E45°前後、N40°-60°W45°前後)の3つがあり、多数の断層が認められる。NS90°前後、EW90°前後の割目系は方解石や擦痕を伴う断層である。また、WNW-ESE系の垂直な割目に沿って溶蝕が進んでいるため、この割目系が最も地下水の通りやすい開いた割目系だと考えられる。内部はこれらの割目系に支配されたボアパッセージの迷路と割目が交叉して崩落したホールで構成されている。二次生成物はドリームホール以奥でよく発達し、洞床は主に崩落礫と粘土で、一部砂や直径10 mm程度の円礫が堆積する。なお割目系の走向傾斜の表記についてはクリノメーターを参照。 洞内の空間は、旧洞部分(北半分)、中央ホール、奥部新洞(南半分)の3区域に大別することができる。
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