ジャアナヒラタゴミムシ
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ジャアナヒラタゴミムシ (Jujiroa ana) は、コウチュウ目(鞘翅目)オサムシ亜目(食肉亜目)オサムシ科[1][3]ホラアナヒラタゴミムシ属[7] Jujiroa [注 1][1][3]に分類されるゴミムシの一種。
注釈
- ^ a b ホラアナヒラタゴミムシ属[7] Jujiroa はナガゴミムシ亜科 Pterostichinae [4]のヒラタゴミムシ族に分類される[5]。なお原記載において分類された Ja 属は2020年現在、ホラアナヒラタゴミムシ属の亜属とされている[2]。
- ^ 「嵩山蛇穴」(すせのじゃあな[9] / すせじゃあな[10])は石巻山多米県立自然公園(弓張山地一帯)に位置する[11]。豊橋市嵩山町字浅間下(標高約140 m)の山腹にあり、洞窟入口の高さは約1.3 m[10]・奥行きは約70 mである[9]。1957年(昭和32年)7月1日に「嵩山蛇穴」として国の史跡に指定されている[10]。
- ^ 長谷川道明ほか (2020) は「蛇穴と静岡県西部に分布する」と述べている[3]。静岡県内ではかつて竜ヶ岩洞(引佐郡引佐町/現:浜松市浜名区引佐町)で発見されたとされ[13]、静岡県レッドデータブック(2004年版)では「要注目種(N-III 部会注目種)」に選定されていたが、2019年度のレッドデータブック改訂のための資料調査により、「静岡県内では記録されていない」と判断されたため、同年の改訂版レッドデータブックからは削除されている[14]。なお、河路掛吾 (2014) は「2013年6月に六所山(愛知県豊田市)で本種を採集・記録した」と報告している[15]。
- ^ 洞窟内部の石の下などから発見される[3]。なお、河路掛吾 (2014) は「地表から約1.5 mの樹木の幹の上で本種を採集した」と報告している[15]。
- ^ 河路掛吾 (2014) は「樹木の幹で本種を採集した際、本種は幹の穴(直径約2 mmに頭を突っ込んでおり、採集してみると口には5 mmほどのハエ類の幼虫(蛆)と思われるものを咥えていた」と報告している[15]。
- ^ Ja 亜属には本州以外にも、イノウエアナヒラタゴミムシ Jujiroa (Ja) toshioi (Habu, 1981) が静岡県内で記録されている[16](タイプ標本:静岡県湖西市梅田にて1979年6月8日に採集されたメス個体)[17]。
- ^ 体長11.5 - 12.5 mmで、本州(静岡県・山梨県)の地中に生息する[8]。
- ^ 四国に生息する[8]。
- ^ 体長11.5 - 12.5 mmで、愛知県(蛇穴洞窟と新穴洞窟)に生息する[8]。
- ^ 残り1種はナガホラアナヒラタゴミムシ Jujiroa elongata S. Uéno (三重県に生息)[8]。
- ^ 蛇穴に隣接する新穴(入口が閉鎖されている)に生息している可能性もあるが、そちらの生息状況は未調査である[3]。本種は地下性の種であるため、分布の詳細を把握することが困難とされる[2]。
出典
- ^ a b c d e f g h i 岸本 2010.
- ^ a b c d e f g h i 岸本 2015.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 長谷川ほか 2020.
- ^ a b 上野 1985, p. 105; 小松 2018, p. 42.
- ^ a b 豊田市生物調査報告書作成委員会『豊田市生物調査報告書〈分冊その2〉』(PDF)豊田市環境部環境政策課、 日本・愛知県豊田市、2016年3月、102頁。 オリジナルの2020年6月23日時点におけるアーカイブ 。2020年6月23日閲覧。 - 豊田市ホームページの「生物調査報告書」から「003-2 IX 昆虫1-16 (PDF 11.6MB)」をクリックして閲覧可能。
- ^ a b 上野 1985, p. 122.
- ^ a b c d 上野 & 岸本 2001.
- ^ a b c d e f g h i j 上野 1985, p. 132.
- ^ a b “とよはしネイチャースポット保全マニュアル-嵩山蛇穴・浅間神社周辺(すせのじゃあな・せんげんじんじゃし”. 豊橋市 公式ウェブサイト. 豊橋市. 2020年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月23日閲覧。
- ^ a b c “嵩山蛇穴遺跡”. 豊橋市美術博物館 公式ウェブサイト. 豊橋市美術博物館. 2020年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月23日閲覧。
- ^ “石巻山多米県立自然公園 公園計画書 (公園計画の一部変更) (案)” (PDF). 愛知県. p. 3 (2016年). 2020年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月23日閲覧。
- ^ "嵩山蛇穴". 国指定史跡ガイド. コトバンクより2020年7月9日閲覧。
- ^ 青島晃 著、静岡県県民生活局自然保護課 編『ふるさとの自然 西部編』(PDF)静岡県、1990年3月31日、106-107頁。 オリジナルの2020年11月7日時点におけるアーカイブ 。2020年11月7日閲覧。 - 静岡県公式ホームページの「自然観察ガイドブック」より閲覧可能。また静岡県立中央図書館・静岡市立中央図書館・国立国会図書館(東京本館)に蔵書あり。
- ^ 平井剛夫「静岡県レッドデータブックの改訂(甲虫)」(PDF)『自然史しずおか』第69号、NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク、2020年6月15日、11頁、2020年11月7日閲覧。
- ^ a b c 河路掛吾「【短報】ジャアナヒラタゴミムシを愛知県豊田市六所山で採集」『佳香蝶』第66巻第260号、名古屋昆虫同好会、 日本・名古屋市熱田区、2014年12月13日、74頁、ISSN 0287-6477。 - 愛知県図書館に蔵書あり。
- ^ 多比良嘉晃(コウチュウ目) 著「昆虫類」、静岡県自然環境調査委員会 昆虫類部会 編『静岡県野生生物目録』(PDF)(初版)静岡県環境森林部自然保護室、2005年3月31日、110頁。 NCID BA7747557X。 オリジナルの2020年11月7日時点におけるアーカイブ 。2020年11月7日閲覧。 - 静岡県公式ホームページの「静岡県野生生物目録(初版)」より閲覧可能。また静岡県立中央図書館・静岡市立清水中央図書館・国立国会図書館(東京本館および関西館)に蔵書あり。
- ^ 吉武啓, 栗原隆, 吉松慎一, 中谷至伸, 安田耕司「農業環境技術研究所所蔵の土生昶申コレクション(昆虫綱:コウチュウ目:オサムシ科)標本目録」『農業環境技術研究所報告』第28号、独立行政法人 農業環境技術研究所、2011年3月、1-327頁、doi:10.24514/00002988、ISSN 09119450、NAID 120006773609、2021年6月20日閲覧“85. Ja toshioi Habu, 1981 イノウエアナヒラタゴミムシ Holotype female (COL-109), Shizuoka, Kosai, Umeda, 8. vi. 1979, T. Inoue leg. (Habu, 1981a).”
- ^ 上野 1985, p. 131.
- ^ “第2章 環境の現況” (PDF). 日本・愛知県豊橋市: 豊橋市環境部環境政策課. p. 22 (2004年). 2020年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月23日閲覧。 - 豊橋市ホームページの「平成16年度版 とよはしの環境」から「第2章 環境の現況>第1節 自然環境>『気候、地形・地質、植物・動物 PDF 28KB』」をクリックして閲覧可能。
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