ジャアナヒラタゴミムシとは? わかりやすく解説

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ジャアナヒラタゴミムシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 16:46 UTC 版)

ジャアナヒラタゴミムシ (Jujiroa ana) は、コウチュウ目(鞘翅目)オサムシ亜目(食肉亜目)オサムシ科[1][3]ホラアナヒラタゴミムシ[7] Jujiroa [注 1][1][3]に分類されるゴミムシの一種。


注釈

  1. ^ a b ホラアナヒラタゴミムシ属[7] Jujiroa はナガゴミムシ亜科 Pterostichinae [4]のヒラタゴミムシに分類される[5]。なお原記載において分類された Ja 属は2020年現在、ホラアナヒラタゴミムシ属の亜属とされている[2]
  2. ^ 「嵩山蛇穴」(すせのじゃあな[9] / すせじゃあな[10])は石巻山多米県立自然公園弓張山地一帯)に位置する[11]。豊橋市嵩山町字浅間下(標高約140 m)の山腹にあり、洞窟入口の高さは約1.3 m[10]・奥行きは約70 mである[9]。1957年(昭和32年)7月1日に「嵩山蛇穴」として国の史跡に指定されている[10]
  3. ^ 長谷川道明ほか (2020) は「蛇穴と静岡県西部に分布する」と述べている[3]。静岡県内ではかつて竜ヶ岩洞引佐郡引佐町/現:浜松市浜名区引佐町)で発見されたとされ[13]、静岡県レッドデータブック(2004年版)では「要注目種(N-III 部会注目種)」に選定されていたが、2019年度のレッドデータブック改訂のための資料調査により、「静岡県内では記録されていない」と判断されたため、同年の改訂版レッドデータブックからは削除されている[14]。なお、河路掛吾 (2014) は「2013年6月に六所山(愛知県豊田市)で本種を採集・記録した」と報告している[15]
  4. ^ 洞窟内部の石の下などから発見される[3]。なお、河路掛吾 (2014) は「地表から約1.5 mの樹木の幹の上で本種を採集した」と報告している[15]
  5. ^ 河路掛吾 (2014) は「樹木の幹で本種を採集した際、本種は幹の穴(直径約2 mmに頭を突っ込んでおり、採集してみると口には5 mmほどのハエ類の幼虫)と思われるものを咥えていた」と報告している[15]
  6. ^ Ja 亜属には本州以外にも、イノウエアナヒラタゴミムシ Jujiroa (Ja) toshioi (Habu, 1981) が静岡県内で記録されている[16]タイプ標本:静岡県湖西市梅田にて1979年6月8日に採集されたメス個体)[17]
  7. ^ 体長11.5 - 12.5 mmで、本州(静岡県・山梨県)の地中に生息する[8]
  8. ^ 四国に生息する[8]
  9. ^ 体長11.5 - 12.5 mmで、愛知県(蛇穴洞窟と新穴洞窟)に生息する[8]
  10. ^ 残り1種はナガホラアナヒラタゴミムシ Jujiroa elongata S. Uéno (三重県に生息)[8]
  11. ^ 蛇穴に隣接する新穴(入口が閉鎖されている)に生息している可能性もあるが、そちらの生息状況は未調査である[3]。本種は地下性の種であるため、分布の詳細を把握することが困難とされる[2]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 岸本 2010.
  2. ^ a b c d e f g h i 岸本 2015.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 長谷川ほか 2020.
  4. ^ a b 上野 1985, p. 105; 小松 2018, p. 42.
  5. ^ a b 豊田市生物調査報告書作成委員会豊田市生物調査報告書〈分冊その2〉』(PDF)豊田市環境部環境政策課、 日本・愛知県豊田市、2016年3月、102頁。 オリジナルの2020年6月23日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200623130922/https://www.city.toyota.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/016/111/02new/003_02.pdf#page=1022020年6月23日閲覧  - 豊田市ホームページの「生物調査報告書」から「003-2 IX 昆虫1-16 (PDF 11.6MB)」をクリックして閲覧可能。
  6. ^ a b 上野 1985, p. 122.
  7. ^ a b c d 上野 & 岸本 2001.
  8. ^ a b c d e f g h i j 上野 1985, p. 132.
  9. ^ a b とよはしネイチャースポット保全マニュアル-嵩山蛇穴・浅間神社周辺(すせのじゃあな・せんげんじんじゃし”. 豊橋市 公式ウェブサイト. 豊橋市. 2020年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月23日閲覧。
  10. ^ a b c 嵩山蛇穴遺跡”. 豊橋市美術博物館 公式ウェブサイト. 豊橋市美術博物館. 2020年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月23日閲覧。
  11. ^ 石巻山多米県立自然公園 公園計画書 (公園計画の一部変更) (案)” (PDF). 愛知県. p. 3 (2016年). 2020年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月23日閲覧。
  12. ^ "嵩山蛇穴". 国指定史跡ガイド. コトバンクより2020年7月9日閲覧
  13. ^ 青島晃 著、静岡県県民生活局自然保護課 編『ふるさとの自然 西部編』(PDF)静岡県、1990年3月31日、106-107頁。 オリジナルの2020年11月7日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201107123925/https://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-020/kankyokyoiku/documents/p102_109_west.pdf2020年11月7日閲覧  - 静岡県公式ホームページの「自然観察ガイドブック」より閲覧可能。また静岡県立中央図書館静岡市立中央図書館国立国会図書館(東京本館)に蔵書あり。
  14. ^ 平井剛夫「静岡県レッドデータブックの改訂(甲虫)」(PDF)『自然史しずおか』第69号、NPO 静岡県自然史博物館ネットワーク、2020年6月15日、11頁、2020年11月7日閲覧 
  15. ^ a b c 河路掛吾「【短報】ジャアナヒラタゴミムシを愛知県豊田市六所山で採集」『佳香蝶』第66巻第260号、名古屋昆虫同好会 日本名古屋市熱田区、2014年12月13日、74頁、ISSN 0287-6477  - 愛知県図書館に蔵書あり。
  16. ^ 多比良嘉晃(コウチュウ目) 著「昆虫類」、静岡県自然環境調査委員会 昆虫類部会 編『静岡県野生生物目録』(PDF)(初版)静岡県環境森林部自然保護室、2005年3月31日、110頁。 NCID BA7747557Xオリジナルの2020年11月7日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201107122316/https://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-070/wild/documents/08kontyuruih29shusei.pdf2020年11月7日閲覧  - 静岡県公式ホームページの「静岡県野生生物目録(初版)」より閲覧可能。また静岡県立中央図書館・静岡市立清水中央図書館・国立国会図書館(東京本館および関西館)に蔵書あり。
  17. ^ 吉武啓, 栗原隆, 吉松慎一, 中谷至伸, 安田耕司「農業環境技術研究所所蔵の土生昶申コレクション(昆虫綱:コウチュウ目:オサムシ科)標本目録」『農業環境技術研究所報告』第28号、独立行政法人 農業環境技術研究所、2011年3月、1-327頁、doi:10.24514/00002988ISSN 09119450NAID 1200067736092021年6月20日閲覧“85. Ja toshioi Habu, 1981 イノウエアナヒラタゴミムシ Holotype female (COL-109), Shizuoka, Kosai, Umeda, 8. vi. 1979, T. Inoue leg. (Habu, 1981a).” 
  18. ^ 上野 1985, p. 131.
  19. ^ 第2章 環境の現況” (PDF). 日本・愛知県豊橋市: 豊橋市環境部環境政策課. p. 22 (2004年). 2020年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月23日閲覧。 - 豊橋市ホームページの「平成16年度版 とよはしの環境」から「第2章 環境の現況>第1節 自然環境>『気候、地形・地質、植物・動物 PDF 28KB』」をクリックして閲覧可能。


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