ヌーディズムの現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 04:38 UTC 版)
ヌーディズムを愛好して実践する者は、少数派に止まっている。しかし、西欧諸国など、「ヌーディストビーチ」や「ヌーディストキャンプ」が多数ある国も存在する。南フランスのキャプ・ダグド (Cap d'Agde) のような大規模な施設は「ヌーディストリゾート」と呼ばれることもある。 こうした活動のできる場所のガイドブックは、ヨーロッパでは夏場、駅のキヨスクのようなところで簡単に手に入れられる。国家や地方自治体が公的に用意した観光案内のホームページでもヌーディズムの紹介が掲載されたり、ヌーディストサイトを紹介するガイドブックがダウンロードできるなど、社会的に一定の認知を受けている。海岸だけでなく大都市部の真ん中の公園なども夏場は、こうした愛好者たちが集まって来る。教会や市議会などでは毎年のように対応が議論されている。 全裸が義務づけられて裸になる者だけが入場できる所と、服は着ても着なくてもいい("clothing optional")という所があるが、いずれの場合でも、他人の裸を見ることではなく、自分が裸になることを楽しむための場所である。ヌーディズムが一定の社会認知を得ている欧米でも、法律とのトラブルを避けるためにも性的な行動を除外しようとする所が多い。例外的に、性的な関係を求める者が集まる危険な場所も存在する。 これらの場所には、その規模によって様々だが、プール・サウナをはじめ、テニス場・アーチェリー場・ジムなどのスポーツ施設や、売店・レストラン・子供の遊び場などが設置されている。また、イベントとして、スポーツ大会・歌謡・ダンスパーティー・コンテスト・ボディペインティング・映画上映会などが催されることがある。これらを総称してヌードレクリエーション(略してヌーレク)と言う。 一般的には、週末や休日などにこれらの場所に、カップル、夫婦、家族連れなどで出かけ、日帰りで、あるいは宿泊して(1泊から、夏の長期休暇には数週間も)過ごす。椅子などに座る際はタオルを敷くことが衛生上のエチケットとして求められる。裸でいることを除いて、基本的な日常生活でのマナーは全て必要である。 また、特別な場所に出掛けるのではなく、自宅等において全裸で日常生活を行う者がいる。また、他人が立ち入らない野山や海岸でヌーディズムを実践する者もいる。露天風呂や混浴風呂などの施設を利用して、全裸の開放感を楽しむ者もいる。 平和を求めたり、戦争・環境汚染・野生動物の狩猟に反対するために、全裸でアピールを行う場合がある。全裸で自転車に乗り、自動車による環境汚染に抗議するNaked Bikeが有名で、パリやロンドン、マドリード、モントリオール、メキシコ市など世界各都市で毎年行われている。 米国のミシガン州立大学には、学生が全裸で町を走るNaked Mileという伝統行事が2004年まであった。 ヌーディズムの国際団体として「国際ナチュリスト連盟(International Naturist Federation/INF)」(1953年創立、本部ベルギーのアントウェルペン)があり、またアメリカ大陸やヨーロッパ、オーストラリアなどの各国に国内組織がある(例えば、アメリカ合衆国のAmerican Association for Nude Recreation/AANR、フランスのFédération française de naturisme/FFNなど)。 「イグノーベル賞」の2004年文学賞に「米国ヌーディスト研究図書館 (The American Nudist Research Library)」が選ばれている。
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