ドラマ化に対する反響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 16:26 UTC 版)
「ビブリア古書堂の事件手帖 (テレビドラマ)」の記事における「ドラマ化に対する反響」の解説
ドラマの配役、とくに栞子役について、声優の池澤春菜が自身のTwitter上で困惑を示すなど(のちに当該のツイートは削除された)、原作の愛読者などからは困惑と驚きの声が上がった。『週刊文春』は、原作小説ファンが反発し、Twitterで「炎上」が起きたと報じている。 ノンフィクション作家の山下柚実によると、放送前の印象として「ご本人の能力より、売り出そうとする周囲の力というか、話題を仕込む背後の力の方がちらちらと目立ってしまう」としながらも、放送後の感想として、剛力の演技は古書店の空気に馴染んでおり、新人にありがちな沈黙に耐えられない余計な動作がなく、うんちくのセリフも説明的に聞こえず、顔が小さく首が長いスタイルに肩にかけたショールが生きて知的な落ち着きを表現できていると評した。 初回視聴率は及第ラインには達しなかったが、同期開始連続ドラマの中では第2位で、メディアプロデューサーの酒井政利によれば、このことからも放送前からの期待度は高く、ネット上での評判は「原作ファンにはあまりよろしくないが、原作を知らない人たちには面白いと評判」であり、今後の剛力の活躍を占う指標になるとみていた。しかし最終話の視聴率8.1%は月9枠の最低視聴率を更新し、平均視聴率も終了時点で『婚カツ!』の10.5%に次ぐワースト2位の11.3%という結果に終わった(視聴率順位は放送当時)。 ジャーナリストの田部康喜は、ドラマと原作の間にある「溝」として、原作にない脇役が多く、そこに人気俳優やタレントを配して視聴率を上げることを狙っているが、それが主役たちの心理の綾を描いていた原作の魅力を損なっているのではないかと分析し、物語の続きを予感させるラストも、どちらも捨てがたいとしつつ恋愛要素のある原作の方に軍配を上げている。しかし、月9で初の「ラノベ」を原作にするという、ジャンルにこだわらず良い物を選ぶ制作陣の姿勢にはチャレンジ精神があると好評価し、原作が今後も続くことからドラマでの第2シリーズに期待を寄せている。 なお、『それから』『せどり男爵数奇譚』など、物語中でモチーフとなった書籍の売上が増加し、絶版となっていた書籍の復刊が決まるなどしたが、これはテレビドラマ化以前にはなかった現象であるとされる。これは映像として実際に「モノ」としての本が視聴者の前に登場し、実際に触れ、読みたいという欲求を喚起したためであり、新たな読者獲得の機会を出版業界に与えたとライターの川俣綾加は分析している。
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