トリメニア科とは? わかりやすく解説

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トリメニア科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/14 07:52 UTC 版)

トリメニア科
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
: アウストロバイレヤ目 Austrobaileyales
: トリメニア科 Trimeniaceae
学名
Trimeniaceae Gibbs (1917)[1]

トリメニア科 (トリメニアか、学名: Trimeniaceae) は被子植物アウストロバイレヤ目に属するの1つである。常緑性木本であるトリメニア属 (Trimenia) の約8種のみを含む。ニューギニア島からフィジーオーストラリア東部などに分布する。

特徴

常緑性高木から低木であり、つる性となるものもある[2][3][4]道管階段穿孔をもち、繊維状仮道管が存在する[2][3]師管色素体はS-type (デンプン粒を含む)[2][3]。節は1葉隙2葉跡[2][3]対生し、葉柄をもち、単葉で全縁または鋸歯をもち、腺点が存在する[2][3][4][5] (図1)。葉脈は羽状[2] (図1)。気孔は平行型[2][3]精油細胞、粘液細胞をもつ[2][3]フラボノールフラボンをもつ[5]

は小さく、放射相称、集散花序を形成して腋生または頂生する[2][3][4] (図1)。両性花または雄花[2][3][4]花被片は2–50枚、離生、らせん状につき、萼片花弁の分化は連続的であり、花後にすぐに落ちる[2][3][5][4]雄しべは6–25個、離生、らせん状につき、花糸は細い[2][5][4]は外向から側向、葯隔が突出する[2][3][5]。小胞子形成は連続型[3]花粉は無口粒〜多溝粒[2][3][5]雌しべはふつう1個、まれに2個、花柱を欠き、子房上位頂生胎座に1個の倒生胚珠をもつ[2][4]。珠孔は両珠皮性、胚嚢は伸長する[5]果実液果種子を1個含む[3][4]。種皮は維管束を含み、全ての細胞壁が厚くなる[5]胚乳が多く、デンプン脂質を含む[3]染色体数は 2n = 18[3][5]

花粉媒介には風および昆虫が寄与すると考えられている (風虫両媒)[5]

分布

オーストラリア東部、スラウェシ島マルク諸島ニューギニア島ニューブリテン島ニューアイルランド島ブーゲンビル島ニューカレドニアフィジーサモアマルキーズ諸島に分布する[3][6]熱帯から亜熱帯多雨林に生育する[4]

進化・分類

トリメニア属は、古くはモニミア科 (クスノキ科) に分類されていたが、花被片が早落性であることや雌しべがふつう1個であることから独立科 (トリメニア科) として分けられるようになった[4]。原始的な被子植物の一群と考えられ、新エングラー体系などではモクレン目[7][8]クロンキスト体系などではクスノキ目に分類されていた[9][10]。また独立のトリメニア目 (Trimeniales) に分類されることもあった[3]

やがて20世紀末以降の分子系統学的研究により、トリメニア科は被子植物の初期分岐群の1つであることが明らかとなり、またアウストロバイレヤ科マツブサ科 (シキミ科を含む) に近縁であることが示された。そのため、2020年現在では、トリメニア科、アウストロバイレヤ科、マツブサ科はアウストロバイレヤ目としてまとめられている[5][11]

トリメニア科の特徴をもつ種子の化石が、北海道白亜紀アルビアン期の地層から報告されている[5][12]

トリメニア科には TrimeniaPiptocalyx が認識されていたが、2020年現在では両者は Trimenia としてまとめられている[13]。また Trimenia には、8種ほどが知られている[6] (下表)。

表1. トリメニア科の分類体系[1][6][4]

脚注

出典

  1. 1 2 Trimeniaceae”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2021年8月8日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 Watson, L. & Dallwitz, M.J. (1992年). Trimeniaceae Perk. & Gilg”. The Families of Angiosperms. 2021年8月7日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 Takhtajan, A. (2009). “Trimeniales”. Flowering Plants. Springer. pp. 24-25. ISBN 978-1-4020-9609-9
  4. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 トレヴァー・ウィッフィン (1997). “トリメニア科”. 週刊朝日百科 植物の世界 9. pp. 92–93. ISBN 9784023800106
  5. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Stevens, P. F. (2001年). Trimeniaceae”. Angiosperm Phylogeny Website. Version 14, July 2017. 2021年8月8日閲覧。
  6. 1 2 3 Trimenia”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2021年8月8日閲覧。
  7. Melchior, H. (1964). A. Engler's Syllabus der Pflanzenfamilien mit besonderer Berücksichtigung der Nutzpflanzen nebst einer Übersicht über die Florenreiche und Florengebiete der Erde. I. Band: Allgemeiner Teil. Bakterien bis Gymnospermen
  8. 井上浩, 岩槻邦男, 柏谷博之, 田村道夫, 堀田満, 三浦宏一郎 & 山岸高旺 (1983). “トリメニア科”. 植物系統分類の基礎. 北隆館. p. 221
  9. Cronquist, A. (1981). An integrated system of classification of flowering plants. Columbia University Press. ISBN 9780231038805
  10. 加藤雅啓 (編) (1997). “分類表”. バイオディバーシティ・シリーズ (2) 植物の多様性と系統. 裳華房. p. 270. ISBN 978-4-7853-5825-9
  11. APG III (2009). “An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG III”. Botanical Journal of the Linnean Society 161 (2): 105–121. doi:10.1111/j.1095-8339.2009.00996.x.
  12. 世界最古のトリメニア科種子化石を発見』(プレスリリース)金沢大学、2009年5月9日2021年8月8日閲覧
  13. 1 2 Trimenia Seem.”. Tropicos.org.. Missouri Botanical Garden. 2021年8月8日閲覧。
  14. Schisandraceae Blume”. Tropicos v3.3.2. Missouri Botanical Garden. 2022年8月13日閲覧。

外部リンク

  • Kabeya, Y. & Hasebe, M.. アウストロベイレア目/トリメニア科”. 陸上植物の進化. 基礎生物学研究所. 2021年8月8日閲覧。
  • Watson, L. & Dallwitz, M.J. (1992年). Trimeniaceae Perk. & Gilg”. The Families of Angiosperms. 2021年8月7日閲覧。 (英語)
  • Stevens, P. F. (2001年). Trimeniaceae”. Angiosperm Phylogeny Website. Version 14, July 2017. 2021年8月8日閲覧。 (英語)
  • Trimenia”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2021年8月8日閲覧。 (英語)



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