トリメチレントリニトロアミンとは? わかりやすく解説

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RDX

分子式C3H6N6O6
その他の名称ヘキソゲン、シクロニット、ヘキソーゲン、サイクロナイト、トリメチレントリニトラミン、トリメチレントリニトロアミン、RDX、Hexogen、Cyclonite、Trimethylenetrinitramine、Hexahydro-1,3,5-trinitro-1,3,5-triazine、1,3,5-Trinitrohexahydro-1,3,5-triazine、Hexahydro-1,3,5-trinitro-s-triazine、シクロトリメチレントリニトラミン、Cyclotrimethylenetrinitramine、1,3,5-Trinitrohexahydro-s-triazine、1,3,5-Trinitro-hexahydro-1,3,5-triazine、1,3,5-Trinitro-hexahydro-s-triazine
体系名:1,3,5-トリニトロ-1,3,5-トリアザシクロヘキサン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリニトロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリニトロヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリニトロ-s-トリアジン、1,3,5-トリニトロヘキサヒドロ-s-トリアジン、1,3,5-トリニトロ-ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリニトロ-ヘキサヒドロ-s-トリアジン


トリメチレントリニトロアミン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/20 18:20 UTC 版)

トリメチレントリニトロアミン
識別情報
CAS登録番号 121-82-4 
PubChem 8490
ChemSpider 8177 
特性
化学式 C3H6N6O6
モル質量 222.12 g mol−1
外観 無色の結晶
密度 1.82 g/cm3
融点

205.5 °C, 479 K, 402 °F

沸点

234 °C, 507 K, 453 °F

爆発性
衝撃感度 低い
摩擦感度 低い
爆速 8750 m/s
RE係数 1.60
危険性
主な危険性 爆発性
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

トリメチレントリニトロアミン爆薬の一種。非常に強力な炸薬として多用され、プラスチック爆弾の主要成分にもなっている。シクロトリメチレントリニトロアミンRDX (Research Department Explosive)、ヘキソーゲン (hexogen) などとも呼ばれる。

ワックスでコーティングしたものをコンポジションA、TNTと共融させたものをコンポジションB、可塑剤と混ぜたものをコンポジションCと呼ぶ。

化学的性質

白い粉末状の環状ニトラミンであり、水には溶けないがアセトンには可溶。類似した化合物にはHMX(シクロテトラメチレンテトラニトラミン)、EDNA(エチレンジニトラミン)などがある。

毒性

人間を含む哺乳類に対して脱力感、めまい、頭痛、吐き気、痙攣、意識喪失などの症状を引き起こす。長期または反復暴露による中枢神経系の障害によりてんかんのような症状を起こす。

甘い味がすることから殺鼠剤として使用されたこともある。

ベトナム戦争中のアメリカ軍ではプラスチック爆薬を食べた87人が中毒を起こして入院し、5人が死亡している。日本でも自衛隊で上官が部下達に志願者を募ってなめさせた事例で、その部下たちに中毒症状が起きた[1]。 水には溶けないため動物には吸収されにくいが、加熱して気化したエアロゾルを吸い込むと急性中毒を起こす場合がある。 そのため、燃料の代わりに使用する場合は排気を吸い込まないように注意する必要がある。

半数致死量
吸引 25 mg/kg
マウス 吸引 19 mg/kg
マウス 経口 59 mg/kg
ラット 経口 100 mg/kg
人間  経口 100 mg/kg

参照

RS-RDX

RS-RDX (Reduced Sensitivity RDX) と呼ばれている非常に感度の低い性質を持つRDX爆薬が知られている。 日本語では鈍感化RDXなどと呼ばれている。 これは結晶構造の違いによる物で衝撃感度試験値で通常のRDXが2.1なのに対してRS-RDXは5以上の値を持つ物が生産されている。 近年では低感度爆薬が求められていることから、研究が進められている。

製造法

硝酸法

古くから行われている方法である。 純度99.5 %以上のヘキサメチレンテトラミンを大量の硝酸でニトロリシス化して、水で希釈して結晶を析出させ、濾過分離する。

濾過分離した廃液中には未反応の硝酸ホルムアルデヒドなどの劇物が大量に含まれており、急激な自然分解を起す危険があるため、結晶の分離後は速やかに加熱分解して処理する必要がある。

反応式




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