デザイン・機能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 10:22 UTC 版)
「ホンダ・S660」の記事における「デザイン・機能性」の解説
ボディ形状は脱着式ソフトトップ「ロールトップ」を備えたオープンボディとし、「ロールトップ」をはずした状態でもシート背後のロールバーが残るタルガトップ風のデザインを採用。ボディフォルムは、絞り込んだアッパーボディと大きく張り出させたリアフェンダーにより、ワイド感とともにタイヤが地面を踏みしめる「 踏ん張り感」 を表現している。フロントビューは、ホンダ車共通のデザインモチーフ「ソリッドウイング・フェイス 」を採用。また、ボディサイドには鋭いキャラクターラインが刻まれるとともに、フロントフェンダーにはエアアウトレット、リア・フェンダーにはエアインレットが設けられ、MRレイアウト車らしいデザインを強調した。キャビン後方のエンジンフードは、運転席/助手席に繋がるようなコブ状のデザインを採用し、マフラーはボディの中心部にレイアウトした一本出し仕様としているなお、ベーシック仕様の「β」と上級タイプの「α」では細部デザインが多少異なり、アルミホイールのカラーリングは「β」がシルバー、「α」がブラック+シルバーとなるほか、フロントフェンダー後方のサイドマーカーランプも「β」がアンバー色、「α」がクリアタイプとなる。 コックピットはF1をイメージされた。インテリアデザイン担当者は、F1は、余分なスペースがなく、要らないものがすべて削ぎ落とされていると感じたが、同時に運転できないほど窮屈ではなく、ほどよいタイトさが心地よいと感じた。S660はドライバー側があたかも独立しているような、囲まれたデザインが特徴的だが、軽のサイズでこれを実現するのは困難な作業が伴った。シフトレバー横に柱を設けたが、最初のデザインでは、衝突実験の際に同乗者の右手がこの柱に当たり、それが原因で胸に衝撃を受けた。そのままでは発売できないので柱を切り取るよう指示されるが、外してしまうとインテリアデザインのコンセプトが根底から崩れてしまうため、柱の位置を微調整し、柱を残した。俯瞰で見るとくびれたボディになっているのは、シートとシートの間隔を狭くしたためで、人を中心に考え、シート自体は小さくしなかったため、シートとシートの間に工夫がなされた。コンソールの中身などを2階建てにし、幅を狭めることでこのコックピットを実現した。 インテリアは基本的にEV-STERのイメージを受け継いでいるが、ステアリングのデザインは大きく変更している。EV-STERは、2レバーシステムであり、縦2本のレバーを握って操縦する方式で、丸いステアリングを想定してなかった。そこから丸いステアリングにするまでに工夫がなされた。こうしてレトロな雰囲気のスポーツカーが多いなかで、エクステリア同様に先進性を感じるインテリアデザインのS660は生まれた。クラシックなデザインを採用しなかったのは、ホンダの企業としてのコンセプトである「過去を振り返る会社ではなく、新しい価値を提供する会社」であることを意識してのもので、20年後に埋もれてしまうことを懸念したためであった。ドライバーの着座姿勢やヒップポイント、アクセルやブレーキペダルの位置を最適化し、クルマとの一体感を追求。ホンダの市販車としては最小径となるDシェイプ形状のφ350mmのステアリングホイールや、ヒール&トゥがしやすいペダルレイアウトを採用している。また、オープン走行を一年中楽しめるよう、腿から腰にかけて風を送り込めるエアアウトレットを新設した「ミッドモード付フルオート・エアコンディショナー」や、風の流れを調節する昇降式のパワーリアウインドウを装備した。シートには、運転席と助手席でシートカラーが異なる「アシンメトリーカラースポーツレザーシート」をメーカーオプションで用意した(詳細は、下記「年表」欄の2015年3月30日を参照。)。
※この「デザイン・機能性」の解説は、「ホンダ・S660」の解説の一部です。
「デザイン・機能性」を含む「ホンダ・S660」の記事については、「ホンダ・S660」の概要を参照ください。
- デザイン・機能性のページへのリンク