テーブルナイフ(食卓用ナイフ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 14:58 UTC 版)
「ナイフ」の記事における「テーブルナイフ(食卓用ナイフ)」の解説
欧米型の食習慣がある地域では、食卓で食事をする場合はテーブルナイフが用いられる。スプーンやフォークなどとともにカトラリーを構成し、カトラリー類のセットでは統一的なデザインとなっていて、しかも優雅なデザインのものが多い。古くは調理された肉を切り取るためによく切れる刃がついていたが、今日ではやや切れ味を下げ細かい鋸刃を持つものが一般的である。ナイフ類は右手で持つのがマナー(左手にフォークを持ち、右手のナイフで肉が口に入る大きさに小さく切り、左手でそれを口に運ぶ)。バターやジャムなどペースト状の食品をとったりパンに塗ったりするための「バターナイフ(バタースプレダー)」は刃付けされていない。 欧州の畏まった席での食事は「コース料理」(フルコースとも)であり、つまり料理が提供される順が「オードブル」→「スープ」→「魚料理」→「肉料理」→「デザート(およびコーヒーなど)」と(まるで法律や厳格なルールのように)決まっており、それに対応するカトラリー類(そしてそこに含まれるナイフ類)の使う順番も決まってくるわけで、テーブル上の配置も決まっている。あらかじめ給仕(=ギャルソン、ウェイター)によってテーブルセッティングが行われ、位置皿(ディナープレート)の右側に、外側からオードブル用ナイフ、魚用ナイフ、肉用ナイフが配置される(なお、さらに外側にスープスプーンが配置される)。そして食べる人は、ナイフ類はディナープレートから遠い側(つまり外側)から順に使ってゆくことになる(なお左側のフォーク類も同様に外側から使ってゆく)。また、位置皿の上側にデザートナイフが配置され、これは最後に使うことになる。なお(一般的にはコース途中でパンも提供されるので)パン皿も食卓上に配置され、付近にバターナイフも配置される。(なお魚料理・肉料理に関しては、お客の希望に応じて片方だけで済ます場合もあり、その場合は、省略される料理に対応するカトラリーもあらかじめ給仕によって食卓上から除去され、食べる人の混乱が回避される。) 食卓で塊の肉を切り分ける際にはよく切れるフィレナイフやステーキナイフが利用されるし、果物を切り分けたり皮をむいたりする場合にはやはりよく切れるフルーツナイフが利用される。 なお機内食に供される食器ではプラスチック製の鋸刃のものが利用されている。「武器への転用の防止、ハイジャック抑止」とも言われるが、主たる目的は使い捨てナイフにすることで衛生的で簡便な食事を提供することである(→機内食)。
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