テレスコピックフォークとは? わかりやすく解説

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テレスコピックフォーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 03:40 UTC 版)

フロントサスペンション (オートバイ)」の記事における「テレスコピックフォーク」の解説

主要な構造はアウターチューブに、これより一回り径の小さインナーチューブ挿入するように組み合わせたもので、望遠鏡のように伸縮する内部にはフォークオイルが封入されていて、伸縮の際にオイル通過することで減衰力生む機構組み込まれている。車重支えスプリングはセリアーニ式のようにインナーチューブ内側組み込まれる場合と、外側コイルが囲むように組み付けられる場合がある。望遠鏡のような伸縮構造であることから、英語で望遠鏡意味する"telescope"に由来してテレスコピックフォークと呼ばれる。テレスコピックフォークは2本1組で、上部三つ叉(トリプルツリー)クランプ呼ばれる部品を介してステアリングステムに固定され下端前輪車軸固定されるインナーチューブロッド表面はアウターフォークのオイルシール摺動しながら表面微量オイル保持する必要があるため、細かいホーニングをもつクロームメッキ施されている。また近年では摺動をより小さくするためにダイヤモンドライクカーボンなどのコーティング施される場合がある。 テレスコピックサスペンションは他の方式にくらべ、機構単純さ量産性、重量耐久性信頼性デザイン性など、多く利点を持つため、今日ではほとんどのオートバイフロントサスペンション採用されている。一方制動時などでフォーク曲げ方向荷重がかかるとテレスコピック構造摺動性悪化してスムーズな作動妨げられる場合がある。また、制動時車体ピッチングモーメントが働くと、フォーク大きく縮んでキャスター角変化大きくなり、旋回時の操縦性悪影響与え弱点を持つ。 主要部品の構造大きく分けてピストンメタル式とチェリアーニ式に分類できる。ピストンメタル式はインナーチューブがスライドメタルを介してアウターチューブに支持されていて、このうちインナーチューブ先端のスライドメタルがダンパーピストン兼ねた構造になっていることからこのように呼ばれている。摺動抵抗比較大きいが、構造が簡単でコストが低いため小型車廉価モデル使われる。チェリアーニ式はスライドメタルを使わずインナーチューブ内部にシリンダコンプリート(ダンパーロッド)を置き、アウターチューブとインナーチューブ直接摺動する構造となっており、メタルが無い分インナーチューブ太くできるため、曲げ対す剛性高くできる。また、ピストンメタル式がインナーチューブ外側コイルスプリング配置するのに対し、チュリアーニ式は内部配置するためスプリングセット長をより長く取れその分サスペンションストロークを大きくできる。なお、チュリアーニ式でもスプリング外部設置したものもある。 減衰力生む構造として、フォークオイルが制御バルブ小さな流路通過する際に発生する流体抵抗利用した機構用いられており、フリーバルブ式やカートリッジ式分離加圧式といった方式実用化されている。フリーバルブ式はダンパーロッド式やピストンロッド式、オリフィス式などとも呼ばれ伸張圧縮も一つバルブポート円盤バネ)で制御され流路面積はフォークオイルの圧力かかわらず一定である。これに対しカートリッジ式伸張圧縮とで作用する制御バルブ独立させて、それぞれに合わせた減衰力特性持たせている。また、カートリッジ式制御バルブ流路面積リーフスプリングによって制御されていてフォークオイルの圧力高くなるほど、すなわち伸縮速度速くなるほど流路大きく開いて減衰力低くしなやかに路面凹凸吸収する特性を示す。逆にピッチングなどで伸縮する場合伸縮速度が遅いため高い減衰力発生して車体挙動安定に保つ。分離加圧式カートリッジ式加えガス圧やばねで支えられピストン設けて、フォークオイルの圧力微細に変化した場合圧力吸収する。これにより、フォーク伸縮動作初期では減衰力発生せず、細かい路面凹凸をよりしなやかに吸収できる。またダンパーロッドを中空とし、内部オリフィス面積変化させるロッドを置き、これを回転することで減衰力変化させるものもある。

※この「テレスコピックフォーク」の解説は、「フロントサスペンション (オートバイ)」の解説の一部です。
「テレスコピックフォーク」を含む「フロントサスペンション (オートバイ)」の記事については、「フロントサスペンション (オートバイ)」の概要を参照ください。

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