チャンネルボイスメッセージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:36 UTC 版)
「MIDI」の記事における「チャンネルボイスメッセージ」の解説
チャンネルボイスメッセージとは、音を鳴らす、止める、音色を変える、ピッチを変えるといった、音源の演奏に必要な情報に関する定義のことである。最大2つのデータバイトが続くことで、その内容・数値を決定する。 ステータスバイトの下位4ビットがMIDIチャンネル番号-1(0(0H)Hはチャンネル1、15(FH)はチャンネル16)を表している。 データバイトにて指定するノートナンバーとは、最も低い音を0、最も高い音を127と割り当てた音の高さのことであり、半音刻みとなっている。中央ハにはノートナンバー60が割り当てられ、88鍵盤のピアノで出せる音域(A0 - C8の7オクターブと短3度)はノートナンバー21 - 108と割り当てられるので、MIDIではそれよりさらに広い音域(C-1 - G9の10オクターブと完全5度)をカバーできる。また、ベロシティとは音の強さ(楽器で例えれば各弦や各鍵を弾く速さによって変化する音の強弱(強弱法))のことである。1 - 127までありmp(メゾピアノ)が64となり、127が最も強く、1が最も弱く、数値が0の場合は発音の終了(楽器で例えれば離鍵など)を表す。 なお、以下の説明では、これら0 - 127までの数字を、16進数で表記する。また、nはチャンネル番号を表わす。 8nH ノートオフ 音を止める命令。鍵盤楽器ではキーを離した時に送信される。ノートオフによって鳴っている音を止める。 第1データバイト - ノートナンバーを指定 第2データバイト - オフベロシティ値 9nH ノートオン 音を鳴らす命令。鍵盤楽器ではキーを押した時に送信される。この後ノートオフが送信されないままだと、音が鳴りっぱなしとなる。 第1データバイト - ノートナンバーを指定 第2データバイト - ベロシティ値 なお「ノートオン・ベロシティ0」もノートオフと同じメッセージとみなされる。 AnH ポリフォニック キープレッシャー 鍵盤楽器で、キーを押した状態でさらにその圧力を変化させた場合に(いわゆるアフタータッチ)、その圧力に応じて送信される。 第1データバイト - ノートナンバーを指定 第2データバイト - プレッシャー値 BnH コントロールチェンジ 音量、音質など様々な要素を制御するための命令。 第1データバイト - コントロールナンバー(00H - 77H)を指定 - どのパラメータをコントロールするのか指定 第2データバイト - コントロール値 - コントロール番号にて指定した要素の大小や強弱を設定 ただし第1データバイトが78H - 7FH(120 - 127)の場合はコントロールチェンジではなく、チャンネルモードメッセージとなる。 CnH プログラムチェンジ 音色を変える命令。00H - 7FHで、最大128種類から音色を選択できる。 第1データバイト - プログラムナンバーを指定 第2データバイトは使用しない。 DnH チャンネルプレッシャー 鍵盤楽器で、キーを押した状態でさらにその圧力を変化させた場合に、その圧力に応じて送信される。ポリフォニック キープレッシャーと違い、そのチャンネルの全ノートナンバーに対して適用される。 第1データバイト - プレッシャー値 第2データバイトは使用しない。 EnH ピッチベンド 鳴っている音のピッチを変える命令。MSB (Most Significant Byte) 128段階の1段階ずつをさらにLSB (Least Significant Byte) で128分割しているので、計16384段階の細かい指定ができる。シーケンサー上では、-8192 - 0 - 8191といった数値で表示することが多い。 第1データバイト - ピッチベンド値LSB 第2データバイト - ピッチベンド値MSB ステータスバイト部のnには0H - FHが代入され、これは1チャンネル - 16チャンネルを表す。「90H 3CH 40H」というMIDIメッセージがあったとすると、これは「ノートオン、1チャンネル。3CH=60なので中央ハを鳴らす。40H=64なのでmpで鳴らす」という命令である。
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