ダイヤモンドフレームの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/29 08:32 UTC 版)
「フレーム (自転車)」の記事における「ダイヤモンドフレームの特徴」の解説
ダイヤモンド(型)フレームは、2個の三角形を一辺で接合した・または中央の頂点を一本の線でつないで分割した平行四辺形をしている。前側を前三角、後ろ側を後三角などと言う。 ダイヤモンド型は安全型自転車の発明の後、多くの製作者が試行錯誤を繰り返して生き残ったデザインである。トラス構造と同じ三角形の組み合わせで強度が高く、汎用鋼管の組み合わせで製作でき生産性に優れ、寸法自由度も高く個々人の体格に合わせたオーダーメイドも容易である。日本のようにその台数の多くがダイヤモンド型でないような文化圏においても、ピクトグラムにおける自転車はもっぱらダイヤモンド型であることなどからも、代表的なデザインであると言える。現在ある他の形式も、多くは乗降性の観点からトップチューブの配置をアレンジしたダイヤモンド型の派生である。特に後三角はほとんど変化が無かったが、21世紀に入る頃からロードバイクにおけるカーボンモノコックの採用、マウンテンバイクでのリアサスペンション搭載化により多彩な形態が現れてきている。 トップチューブがあるために、乗車の際には後輪の上を跨ぐか、リヤに大きな荷物がある場合は足を大きく上げて跨ぐ必要があり、女性の場合スカートばきでの乗車には不向きである。このため、現代日本の多くの軽快車は男女兼用デザインとしておりダイヤモンド型はほとんどない('90年代のブリヂストン「メッセージ」など、過去皆無ではなかった)。実用車は古くからの型であるためダイヤモンド型が基本だが、そうでないものもある。また日本において昔おこなわれた、子供の変則的な乗り方「三角乗り」は、ダイヤモンド型フレームならではのものであった。 現在のロードレースにおいて国際自転車競技連合 (UCI) は規定により、ダイヤモンドフレーム以外のフレームは認めていない。UCIの管轄ではないトライアスロンでは、空力を考慮した多様な形状のフレームが見られる。1990年代中頃には、ロードレースのタイムトライアル競技で空気抵抗を軽減したダイヤモンド型でないフレームも使われたことがあった。トラック競技では、アワーレコードにおいて1993年のグレアム・オブリーの記録挑戦・達成と、それ以降の何人かのアワーレコードでダイヤモンド型でないフレームが使われたが、UCIは2000年にそういった自転車でのアワーレコードを認めないこととした。 マウンテンバイクは、初期にはホリゾンタル(後述)の、続いてスローピングのダイヤモンドフレームを使用してきたが、現在ではサスペンションを前後に装着している車体も多く、前三角と後三角(うしろさんかく)が独立してピボットを介して繋がれサスペンションで衝撃を和らげる「フルサスペンション」フレームが主流になりつつある。詳しくはマウンテンバイクの項目を参考のこと。 折り畳み自転車のように収納のための構造であったり、リカンベントのように乗車に通常の自転車のような態勢を取らない特殊な自転車は独自のフレーム構造である。
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