ソフトウェア開発に関する思想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:57 UTC 版)
「リーナス・トーバルズ」の記事における「ソフトウェア開発に関する思想」の解説
リーナスの活動にインスパイアされたエリック・S・レイモンドがその論文「伽藍とバザール」で述べ著名となったリーナスの法則に「Given enough eyeballs, all bugs are shallow.(目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない)」というものがある。深刻なバグというのは見つけづらいもののことを言うが、深刻なバグを探すのに大勢の人がいれば、どんなバグも深刻なものとはならないだろうという希望を述べたものであり、ほぼ経験則として受け入れられている。レイモンドとリーナスは、この信念を基盤にしたオープンソース思想を共有している。 他のオープンソース普及活動家たちとは違って、リーナスは比較的控えめな姿勢を保っているように見られているが[要出典]、度々マイクロソフトのWindows やAppleのmacOSのような競合するオペレーティングシステム (OS) についての辛辣な批判をしてきた。一方、GNUプロジェクトとは度々対立し、特にトランスメタでの独占的ソフトウェアの開発への従事や、BitKeeperの利用と擁護は、GNU側から批判の的とされている。しかし、マイクロソフトやSCOのような独占的ソフトウェア開発企業による反Linuxを意図したFUDに対しては強く反論する声明を発表してきた。また2004年にはサン・マイクロシステムズが自社開発のSolaris OSをオープンソースにするという発表について「誰もSolarisの出来損ないみたいなOSで遊びたいとは思わないと思うよ。明らかなことは、彼らはコミュニティの立ち上げには相当な時間がかかるだろうということだと思うよ」と述べた。更に続けてデバイスドライバサポートの問題が足を引っ張るだろうという点を指摘し、CNETニュースのインタビューに答えて「Linuxでドライバが足りないとかなんとかいっているようなら、Solaris/x86を見てみるといいよ」と述べるなど、競合している他のOSへの批判には容赦がない。 他の例では、マイクロソフトの上級副社長クレイグ・マンディがオープンソースソフトウェアには新規性はなく、知的財産権を破壊するものだと批判したのに対する反論として送ったEメールの中で次のように述べた。「マンディはアイザック・ニュートン卿について聞いたことがあるのかねえ。彼は古典力学の基礎の構築、りんごの木の話で有名な万有引力の法則を発見した点で著名であるだけでなく、彼がその業績に対して先人への感謝を示したやり方でも有名なんだ。『私がはるかかなたを見渡すことができたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩に乗っていたからだ。』(…中略…)私はマンディよりもむしろニュートンの意見を聞いてみたいよ。亡くなってから300年もたちましたけど、あなたの意見はまだ古臭くなってませんよねってね」。
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