セールスとトレーディング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 21:48 UTC 版)
「投資銀行」の記事における「セールスとトレーディング」の解説
銀行および同顧客のために行なう、大規模投資銀行の主な職務は金融商品の売買である。マーケットメイクにて、トレーダーは各トレードでお金を稼ぐことを目標に金融商品を売買する。「セールス」とは投資銀行の営業部門を指す用語で、その主な仕事は機関投資家や富裕層の投資家に取引のアイデア(買い主リスク負担を基本に)を提案し、注文を取ってくることである。その後、営業担当者は顧客の注文を適切なトレーディングルームに伝えて、価格設定や取引実行をすることができ、特定のニーズに合った新商品構築を可能にしている。「ストラクチャリング」はデリバティブが作用するようになった比較的最近の活動であり、高度な技術力を持つ有能な従業員が、基礎となる現物有価証券よりもはるかに大きなマージンとリターンを生み出す複雑な構造の金融商品の作成に取り組んでいる。2010年に、投資銀行はヨーロッパと米国の地方自治体に複雑なデリバティブ契約を売った結果、圧力をかけられた。 ストラテジストはさまざまな市場で適用できる戦略について社内外の顧客に助言を行う。デリバティブから特定の業界に至るまで、ストラテジストはマクロ経済の情勢を十分に考慮しながら、企業および業界を数値化(クオンツ)の枠組み内に置く。この戦略はしばしば、市場における企業の展開予定や、自社所有物および資金量の観点から採用したい方向性、営業員が顧客に授ける提案、ならびにストラクチャラーが新商品を生み出す手法に影響する。銀行はまた、顧客と接触しない特別なトレーダーによって行われる自己勘定取引を通して、また「主要リスク」つまり顧客に商品を売買した後にトレーダーが請け負うリスクで自身の総エクスポージャーをヘッジしないものを通して、リスクを引き受ける。銀行は貸借対照表上に与えられたリスク量に応じて収益性の最大化を模索する。セールスとトレーディングにおける数値演算能力の必要性から、クオンツアナリスト(英語版)は物理学、コンピューター科学、数学および工学の博士号向けの仕事となっている。
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