スウェーデンのアメリカ合衆国認証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 21:54 UTC 版)
「アメリカ独立戦争における外交」の記事における「スウェーデンのアメリカ合衆国認証」の解説
1783年、スウェーデン王国はアメリカ合衆国に中立国として最初にアメリカ合衆国を承認した。スウェーデンは武装中立同盟に参加したが、独立戦争の局外にあった(ただしスウェーデン王グスタフ3世は当初、専制君主的な考えからイギリスを支持していたため、義勇軍がイギリス側に参加していた)。スウェーデンにとって重要なことは、中立国船舶の航行の自由であり、イギリスによってその中立貿易が阻害されたことが武装中立同盟参加の動機となった。しかしスウェーデンは17世紀半ばにフランスと同盟を結んでおり、スウェーデン将校の多くはフランス海軍で勤務し、独立戦争にも参加していた。このため、フランスの視点からアメリカの動向を認識することが出来たのである。同時にこの戦争は、スウェーデンにとって貿易と海運業の機会の拡大を意味した。スウェーデンは1655年に新世界のニュースウェーデンを喪失して以来、大西洋を越えて関わりを持ったことは無かった。独立戦争はスウェーデンに新たな選択肢をもたらすこととなった。それは旧植民地との直接貿易であり、新生アメリカやカリブ海地域への経済的進出という道であった(1784年にフランスとスウェーデンのヨーテボリの貿易権と引き換えにサン・バルテルミー島を取得)。 デンマークやスウェーデンは中立国であったが、国際的地位は脆弱で、そのために参戦に対するリスクは非常に大きかった。しかし中立したことでそのメリットは非常に大きく、特に戦争中は、列強の間で中立海運国として機能した。しかし戦争終結後は、スウェーデンにとって期待とは裏腹にアメリカとの貿易はほとんど効果をもたらさなかった。西インド諸島貿易とも競合することとなり、この地域でのスウェーデンの海運業の促進は、新生アメリカの海洋国としての発展を待たなければならなかった。 交渉はフランスで行われ、1783年4月3日にパリで締結された(アメリカ・スウェーデン友好通商条約)。アメリカは、スウェーデンが国家として独立戦争に関与していないことを評価した。この条約は、両国の友好関係の締結と同時に通商法も含まれており、書面は両国の最恵国待遇の承認や全ての船舶・貨物の両国の相互保護などで構成され、在フランスアメリカ合衆国全権公使兼在スウェーデンアメリカ合衆国全権公使ベンジャミン・フランクリンと在フランススウェーデン大使グスタフ・フィリップ・クロイツによって署名された。
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