ジギー‐スターダストとは? わかりやすく解説

ジギー・スターダスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/03 00:58 UTC 版)

『ジギー・スターダスト』
デヴィッド・ボウイスタジオ・アルバム
リリース
録音 1971年9月9日 - 1972年2月
Trident Studios, Soho, London
ジャンル ロック
時間
レーベル RCAレコード
プロデュース デヴィッド・ボウイ
ケン・スコット
専門評論家によるレビュー
  • All Music Guide link
  • Rolling Stone link
チャート最高順位
  • 5位(全英アルバムチャート
  • 75位(Billboard 200
  • 64位(オリコンチャート、1990年盤)
  • ゴールドディスク
  • プラチナ(イギリス
  • ゴールド(アメリカ
  • デヴィッド・ボウイ アルバム 年表
    ハンキー・ドリー
    1971年
    ジギー・スターダスト
    1972年
    アラジン・セイン
    1973年
    『ジギー・スターダスト』収録のシングル
    1. 「月世界の白昼夢」
      リリース: 1971年4月
    2. スターマン
      リリース: 1972年4月14日
    3. 「ロックン・ロールの自殺者」
      リリース: 1974年4月11日
    4. サフラジェット・シティ
      リリース: 1976年7月9日
    テンプレートを表示

    ジギー・スターダスト』(原題:The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars)は、イギリスミュージシャンデヴィッド・ボウイの5作目のアルバム。

    1972年6月16日に、RCAレコードよりリリースされた。

    その後、1990年EMI(米国ではRYKO)よりCD化され再発売されており、その際ボーナストラックとして未発表テイクが5曲追加収録されている。また、2002年にもEMIより再発売されており、その際は2枚組で12曲がボーナストラックとして追加収録されている。このアルバムタイトルは、後述の解説にあるとおり「ジギー・スターダスト&ザ・スパイダーズ・フロム・マーズの栄枯盛衰」とでも訳すべきものであるが、日本盤では当時の担当ディレクター・高橋明子が発案した話題性確保の一環として、『屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群』と、固有名詞を直訳する珍妙な邦題を付して発売された(現行版は簡潔に『ジギー・スターダスト』となっている)。

    このアルバムは、『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(2020年版)に於いて、40位にランクイン[1]。アルバム収録曲「ジギー・スターダスト」(屈折する星くず)は、ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500や、ロックの殿堂の「The Songs That Shaped Rock and Roll」(ロックン・ロールを形成した500曲)に選出された。

    解説

    デヴィッド・ボウイの代表作の一つ。5年後に迫る資源枯渇を原因とする人類滅亡の危機に、救世主として異星より来たバイセクシャルのロックスター「ジギー・スターダスト」の物語からなる。その名“ジギー”はイギー・ポップから、“スターダスト”は、テキサスのミュージシャン、レジェンダリー・スターダスト・カウボーイが由来となっている。自らが異星からやってきた架空のスーパースター「ジギー」となり、ロック・スターとしての成功からその没落までを描く物語を、アルバムに収録された曲で構成している作品である。それまでにボウイ自身が体験してきた音楽俳優絵画パントマイム、また日本歌舞伎といった大衆芸能を網羅し、自らの作品へと結実している。聴衆は「デヴィッド・ボウイ」ではなく、「ジギー」として彼を讃え、「ジギー」は虚像のスターとしてロック界の頂点に立った。妖艶さと狂気を兼ね備えた「ジギー」のキャラクターは、ボウイ自身の「バイセクシャル」であるという公言や、ステージでの宇宙人を思わせる奇抜な衣装やメイク、パフォーマンスによって神格化されていく。その頂点に達した時、突如ボウイは「ジギー」を否定し引退宣言をしてステージから姿を消すことになる。「ジギー」としてのパフォーマンスは、1973年7月3日のハマースミス・オデオンが名目上最後とされているが、その後にもう一度だけ行われている。

    ボウイがモット・ザ・フープルに提供した楽曲「すべての若き野郎ども」は、『ジギー・スターダスト』の物語とつながりがある[2]

    英音楽誌NMEは、本作から「月世界の白昼夢」(11位)、「5年間」(12位)、「ロックンロールの自殺者」(13位)「サフラジェット・シティ」(14位)、「スターマン」(15位)、「屈折する星くず」(20位)の6曲を「NMEが選ぶデヴィッド・ボウイの究極の名曲1〜40位」に選んでおり、シングルとしてリリースされ本作には収録されなかった「ジョン、アイム・オンリー・ダンシング」も30位にランクインしている。[3]

    収録曲

    A面
    # タイトル 作詞・作曲 時間
    1. 「5年間」(Five Years)  
    2. 「魂の愛」(Soul Love)  
    3. 「月世界の白昼夢」(Moonage Daydream)  
    4. スターマン(Starman)  
    5. 「イット・エイント・イージー」(It Ain't Easy) ロン・デイヴィス
    B面
    # タイトル 作詞・作曲 時間
    6. 「レディ・スターダスト」(Lady Stardust)  
    7. 「スター」(Star)  
    8. 「君の意志のままに」(Hang Onto Yourself)  
    9. 屈折する星くず(Ziggy Stardust)  
    10. サフラジェット・シティ(Suffragette City)  
    11. 「ロックン・ロールの自殺者」(Rock'N'Roll Suicide)  

    ボーナストラック

    ボーナストラック(1990年盤)
    # タイトル 作詞・作曲 時間
    12. 「ジョン、アイム・オンリー・ダンシング」(John,I'm Only Dancing (Single B-side))  
    13. 「ヴェルヴェット・ゴールドマイン」(Velvet Goldmine (Single B-side))  
    14. 「スイート・ヘッド」(Sweet Head (Previously unreleased track))  
    15. 「屈折する星くず(デモ・ヴァージョン)」(Ziggy Stardust (Previously unreleased original demo))  
    16. 「レディ・スターダスト(デモ・ヴァージョン)」(Lady Stardust (Previously unreleased original demo))  
    ボーナストラック(2002年盤)
    # タイトル 作詞・作曲 時間
    1. 「月世界の白昼夢(アーノルド・コーンズ・ヴァージョン)」(Moonage Daydream (Arnold Corns Version))  
    2. 「君の意志のままに(アーノルド・コーンズ・ヴァージョン)」(Hang On To Yourself (Arnold Corns Version))  
    3. 「レディ・スターダスト(デモ)」(Lady Stardust (Original Demo))  
    4. 「屈折する星くず(デモ)」(Ziggy Stardust (Original Demo))  
    5. 「ジョン・アイム・オンリー・ダンシング」(John, I'm Only Dancing (Original Single))  
    6. 「ヴェルヴェット・ゴールドマイン」(Velvet Goldmine (Single B Side))  
    7. 「ホリー・ホリー」(Holy Holy (Studio Version, 1971))  
    8. 「アムステルダム」(Amsterdam (1973 B Side Of Sorrow)) ジャック・ブレル、モート・シューマン
    9. 「スーパーメン」(The Supermen (Alternative Version))  
    10. 「ラウンド・アンド・ラウンド」(Round And Round (Single B Side, 1973)) チャック・ベリー
    11. 「スウィート・ヘッド(テイク4)」(Sweet Head (Studio Version, 1971))  
    12. 「月世界の白昼夢(ニュー・ミックス)」(Moonage Daydream)  

    参加ミュージシャン

    リイシュー

    5.1ch版

    2003年 5.1chサラウンドミックスが制作され、SACD(2003年発売)・DVD(2012年発売:40周年記念盤[LP&DVDセット])に収録されている[4]

    脚注

    1. ^ 500 Greatest Albums of All Time: David Bowie, 'The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders From Mars' | Rolling Stone
    2. ^ Copetas, Craig (1974年2月28日). “Beat Godfather Meets Glitter Mainman”. ローリング・ストーン誌. http://www.rollingstone.com/music/news/beat-godfather-meets-glitter-mainman-19740228 
    3. ^ https://nme-jp.com/feature/12521/
    4. ^ https://www.discogs.com/ja/master/1561-David-Bowie-The-Rise-And-Fall-Of-Ziggy-Stardust-And-The-Spiders-From-Mars

    外部リンク





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