コントについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 22:42 UTC 版)
コントの筋は、坂上扮する善良な普通の一市民が、萩本扮する異常な人物に振り回される内容が多く、所々オーバーな動きがコントに抑揚を付けていた。特に日劇出演を契機に、動きが大きくなり特徴の一つとなった。とりわけ、萩本のツッコミは執拗かつ想定外のものが多かった。萩本が演じる狂気の世界が日常とのギャップもあり、坂上が狼狽もしくは苦笑する事で十分笑いは取れていた。しかしこれに坂上が倍返しともいえるナンセンスなボケで対処し、笑いを増幅させた(なお、本筋では坂上がツッコミで萩本がボケである)。ビートたけしは55号の笑いについて「萩本さんのセンスと坂上さんの芸に尽きる」と分析している。 コント55号のコントは、その殆どを作家の岩城未知男が原作者として手掛けていたが、実際に55号の二人が脚本通り演じる事はなく、殆ど即興劇に近い形に改変されて演じられた。このため、当時一般にコント55号のお笑いを称して「自作自演」と言われた。岩城はこのことに憤慨したのか、やがてタイトルだけの台本や、一つのイラストだけ描かれた台本をよこすようになり、それに予め萩本が修正(というよりも殆ど創作)を行うようになったと言われている。 なお萩本曰く、もともとは当人たちで脚本を考えていたが、劇場の支配人から「原作者が別にいた方が格好もつくしギャラも別に出る」とアドバイスされたことから岩城に名前だけ出すよう持ち掛けたのが最初で、テレビ出演が増えるにつれスタッフから「作家の岩城さんと打ち合わせをしたいのですが」と言われることが増えたため、岩城自身が脚本を書くようになっていったと語っている。しかしながら、萩本によれば岩城は、夏場に打ち合わせのため喫茶店に入った際に「今日は熱いねえ」と言いながらズボンのポケットにお冷やをそのまま流し込んだり、表紙に人物の皴の一本一本まで精巧なイラストを描いておきながら「イラストに力を入れ過ぎたので、肝心のシナリオまで手が回らなかった」と中身が真っ白な台本を手渡したりするなど奇人であったといい、実際にコントの台本を作っていたのは萩本だったという。ただし例外はあり、日本テレビの齋藤太朗には全幅の信頼を置いていたため、齋藤が手掛ける番組(『コント55号のなんでそうなるの?』など)では、コントの台本についても全て齋藤に任せて口出ししないようにしていた(とはいえ、舞台上でアドリブで筋を変えることはあった)。 坂上は「欽ちゃんが台本通りに演じないため、どう演じて良いか分からず即興で対処した。」と回顧していたが、萩本は「二郎さんがなかなか台本通りやってくれなかった。」と証言していた。
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