カール・マルテルとイスラム勢力の西漸とは? わかりやすく解説

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カール・マルテルとイスラム勢力の西漸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:57 UTC 版)

中世ヨーロッパにおける教会と国家」の記事における「カール・マルテルとイスラム勢力の西漸」の解説

714年12月ピピン2世が死ぬと、カロリング家支配対す反動起こり危機迎えたが、ピピン2世庶子カール・マルテルによって717年にはクロタール4世擁立され、カール・マルテルアウストラシア支配確立した宮宰在位714年-741年)。724年ごろにはおそらくネウストリア平定しアキテーヌ支配していたユードと和平結んだ。ユードは719年からネウストリア豪族結んでカール・マルテル敵対していたが、これ以降ユードの生きている間はカール・マルテル有力な同盟者となったカール・マルテル730年アレマン人を、734年フリース人征服し領土拡大した。また733年にはブルグント制圧したこのころイスラム教徒北アフリカからジブラルタル海峡越えてヨーロッパ侵入し711年には西ゴート王国滅ぼしイベリア半島支配するようになった720年にはイスラム教徒の軍がピレネー山脈越えてナルボンヌ略奪しトゥールーズ包囲した。ユードはイスラム総督自分の娘を嫁がせるなど融和を図る一方732年イスラム教徒大規模な北上企てた際にはカール・マルテル援軍求め、これを撃退したトゥール・ポワティエ間の戦い)。こうしてカロリング宮宰フランク王国とカトリック・キリスト教世界イスラム勢力からの守護者となりうることが明らかになった。 735年にユードが死ぬと、カール・マルテルはただちにアキテーヌ攻撃したが、征服には失敗し、ユードの息子クノルトに臣従誓い立てさせることで満足するとどまった。軍を転じたカール・マルテル南フランス影響拡大しようとし、マルセイユ占領した。このことが南フランス豪族危機感を抱かせ、おそらく彼らの示唆によって、737年にはアヴィニョンイスラム教徒占領された。カール・マルテルすかさずこれを取り返しナルボンヌ攻撃した奪回はできなかった。カール・マルテルこのような軍事的成功によってカロリング家覇権確立した737年テウデリク4世死んでから、カール・マルテル国王立てず実質的に王国統治していた。 カール・マルテルフリースラントへのカトリック布教活躍していたボニファティウスによる、テューリンゲン・ヘッセンなど王国北・東部地域での教会組織整備積極的に支援した722年教皇グレゴリウス2世により司教叙任されボニファティウス723年カール・マルテル保護状を得て当時ほとんど豪族私有となっていたこの地域教会教皇の下に再構成しようと試みたボニファティウス努力によって、747年カロリング家カールマン引退する頃にはこの地域教区編成司教座創設はほぼ完成された。またこれらの地域ローマ式典礼が積極的に取り入れられた。 一方でカール・マルテルイスラム勢力対抗するため軍事力増強図り、自らの臣下封土与えるためネウストリア教会財産封臣貸与した(「教会領の還俗」)。これにより鉄甲武装した騎兵軍を養うことが可能となったカール・マルテル後継者カールマンアウストラシア教会財産においても「還俗」をおこなった封臣貸与され教会領の収入一部地代として教会支払ったが、地代支払いはしばし滞った。この教会財産の「還俗」を容易にするため、修道院長司教カロリング家配下俗人多く任命された。 [先頭へ戻る]

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