come over
「come over」とは、「来る」の意味の「come」と「超える」「支配する」「克服する」などの意味を持つ「over」の組み合わせにより「家に来る」「感情に襲われる」など複数の意味を表す英語表現である。
「come over」とは「come over」の意味
「come over」とは、「(人が)来る」「(ものが)届く」「結果として起こる」といった意味を持つ動詞「come」と、「~の上に」「~を超えて」「~を支配して」など複数の語義を持つ前置詞「over」の組み合わせにより、大きく次の3つの意味で用いられる句動詞である。1つ目は、「来る」「行く」という基本的な動作をもとに「こちらにやってくる」「訪ねてくる」「立ち寄る」といった意味で使われる用法である。この場合は「over」が位置を示す前置詞の意味で使われている。位置を示す使い方には「~を越えて」という意味もあるため、「頭上を通過する」「渡来する」「伝わる」「移住する」のように用いられる場合もある。2つ目は、「身に降りかかる」「~に変化が起こる」といった意味で使われる用法である。この場合「over」は、「全体に及んで」の意味で用いられている。「What has come over you? (何が君の身に降りかかっている?=君、どうかしたのか?)」などの使い方で、急な気持ちの変化が生じたときなどに特によく使われるフレーズである。3つ目は、「突然~と感じる」などという意味の用法である。通常は「come over+形容詞」の構文を取り、「As soon as I heard that music, I just came over dizzy.(その音楽を聴いたとたん、急にくらくらとめまいがした)」などのように用いる。2つ目の用法も、3つ目の用法も、ともにネガティブな感情表現のフレーズとなり、体調や気分などが急にすぐれなくなった場合によく用いられる言い回しである。
このほか「come over」には、「出てくる」「初めて出る」などの意味があることから、スラングとして「デビューする」「出版される」といった意味も持つフレーズとなる。
「come over」の発音・読み方
「come over」の発音記号は「kʌm óuvər」となり、日本語読み風にカタカナ表記した場合は「カム オーバー」と読む。「come over」の語源・由来
「come over」の語源は、句動詞を構成する2つの単語の「come」と「over」のそれぞれに求める必要がある。「come」については、ゲルマン祖語で「来る」という意味の「kwemana」が語源となり、これが古期英語の「coman」に形を変えたものである。「over」については、ゲルマン祖語で「上に」の意味となる「uber」が語源である。「come over」と「over」の違い
「come over」と「over」の違いは、「come over」が「こちらに来る」「身に降りかかる」など複数の意味を持つのに対して、「over」の1語だけではその意味を表現することができないという違いである。ただし、「come over」で表される「家に招待する」の意味については「over」で代用ができる。たとえば「I’d like to have my friends over for dinner.(夕食に友達を家に招きたい)」などの使い方である。「come over」と「come」の違い
「come over」と「come」では、「come」が「来る」という動作を機械的に説明する動詞であるのに対して、「come over」は動作そのものに意味を持たせ、「(わざわざ)やって来る」というような話者の主観を織り交ぜた表現であるという点に違いがある。また「come over」には「はるばる」という意味合いが含まれており、「come」より遠方から来る動作を示している点で、両者の距離感にも違いがある。「come over」を含む英熟語・英語表現
「let me come over」とは
「let me come over」とは、「君のいるところに行かせてほしい」という意味となり、一般的には「君のところに行ってもいいか?」と都合を打診する内容となる。
「I’m coming over」とは
「I’m coming over」とは、「私は今向かっているところだ」という意味である。この場合の「come over」は、人に呼ばれて「I'm coming(今行く)」と答えるケースと同じく、相手のところへ行くという意味になる。
「come over」の使い方・例文
「come over」の使い方・例文としては、「Please come over if you have time.(時間があったらどうか来てくれ)」、「An unpleasant feeling has come over me.(私は急に嫌な感じに見舞われた)」などを挙げることができる。- カムオーバーのページへのリンク