エコカーは本当に環境に優しいのか?
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 00:54 UTC 版)
「スクラップインセンティブ (自動車)」の記事における「エコカーは本当に環境に優しいのか?」の解説
経済対策としては有効だが環境対策としてはあまり役に立たない(現在ある自動車を大切に利用するという観点や、新車製造時・石油以外の燃料で動作させる場合に発生する温室効果ガス等を抑制するという観点からは、カーボンニュートラルな石油代替燃料(バイオ燃料など)を実用化することが望まれる)と指摘されることもある。 また、いかに燃費性能が良く温室効果ガスや大気汚染物質の排出量が少ない低公害車であっても製造・廃棄時に莫大な温室効果ガス等を発生させており(特にHVに関してはモーター・バッテリーを別途作らなければならない分通常の内燃車より製造時のコストは環境・金銭ともに大きい)、電気自動車の場合でも発電を火力発電や原子力発電に頼っているようではそれら発電所に由来する問題の発生は避けられない。そのうえ、技術革新は日進月歩なため、ハイブリッド車であろうが電気自動車であろうが、新モデルが燃費向上や給油並びに充電回数の減少などの性能アップを果たした場合、旧モデルの方がある意味環境負荷が大きいということになるため、必ずしも環境負荷の低減につながっているとは言えない面もある。ただし、登録されている車両の比率で低公害車の割合が増えれば、それらが普及していない場合と比較して理論上温室効果ガス等の排出される総量が減ったことになるため、環境対策として効果がないという見方は語弊でもある。 さらに、日本の場合は買い換えによって必ずしも環境負荷が少なくなるとは言えない現状があった(後述)。環境を考えるなら解体部品、リサイクル部品を使用して既存車を修理し、廃車を減らすことこそが理想である。しかし、現状でのリサイクル部品は「廃車を減らす」類の目的での宣伝はされていない。たとえ今は一時的にリサイクル部品で修理できたとしても、いずれそれが壊れて廃車を獲得する台数に変わりがないことが前提であるならば、そもそも解体部品の存在意義は無いことになる。「特定の車種の特定の部位が壊れやすい」と言うことは間々あることではあるにせよ解体屋に入庫する同型車のうちすべてが同じところばかりが故障しているわけではないので、壊れていない部分だけ交換すれば普通に乗れる車が完成する(いわゆるニコイチ)ことになる。しかし部品を購入して車を修理するよりもまだ乗れる車を廃車にすることが圧倒的に多いため、まだ使える部品の多くが廃棄されている。逆に部品を購入して修理することが一般的になれば廃車(のうち実際に廃棄・マテリアルリサイクルに回される比率)は減少し、解体屋は部品の再生、販売が主な業務に変わる。もしくは、既存車を電気自動車などに改造すれば、廃車とそれに伴うゴミが大幅に減少し、排ガスも減少することができる。
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