イラク・シリア国外への動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 00:00 UTC 版)
「ISIL」の記事における「イラク・シリア国外への動き」の解説
2015年1月26日、ISILは、支持者に対し、各地での攻撃を呼びかける声明を出した。 これを受けての攻撃と思われる動きが世界各地で起きており、1月27日にはリビアの高級ホテルが武装勢力に襲撃され、9人が死亡する事件が起こった。この事件では、イスラム国「トリポリ州」を名乗る集団が犯行声明を出した。この事件では、現地の者だけでなく、アメリカ合衆国、韓国、フランス、フィリピンなどの者も犠牲となった。2015年6月には中部スルトを完全に制圧し拠点を置いた。2016年8月10日には、リビア西部を統治する大統領評議会によって奪還されたものの、事実上の内戦下のリビアにおいて一定の勢力を保持している。 1月29日には、エジプト北部の北シナイ県の軍事基地や警察署などを、武装集団が襲撃し、少なくとも26人が死亡する事件が発生した。ISに忠誠を誓い、ISエジプト部門となった過激派エルサレムの支援者(英語版)が犯行声明を発している。なおエジプト軍の報道官は、軍によって結社禁止となったムスリム同胞団が関与していると主張した。 内戦状態のイエメンでも勢力を拡大し、3月20日には、シーア派武装勢力「フーシ」が掌握する首都サヌアでフーシ派幹部を狙ったとみられる自爆テロを起こし、140人以上の死者が出るなど攻勢を強めた。4月30日には、イエメン軍兵士14人に死刑を執行したとする動画を公開した。 2015年7月には、アフガニスタン政府報道官ザファル・ハーシミーは、少なくともナンガルハール州、ファラー州、ヘルマンド州の3州にISが進出していることを明らかにした。6月には、「ターリバーン」との間で戦闘が勃発し、双方の間でISIL指導者を含む12人が死亡した。 2015年11月には、フランスの首都パリで同時多発テロが発生し、129人が死亡した。この同時テロで、ISが犯行声明を出した。フランスの大統領オランドは11月13日に非常事態宣言を発表し、全ての国境を封鎖した。 2016年8月13日、カナダのオンタリオ州においてIS支持者がテロを計画し、客として乗車したタクシーで自爆し死亡した。同月21日には、トルコ南部ガジアンテプで結婚式を狙ったISによる自爆テロにより50人が死亡した。 2016年リオデジャネイロオリンピックの際には、ブラジルへのテロ攻撃を呼びかけ、ポルトガル語が話せる人材をリクルートしていた。 2021年8月26日、アフガニスタンのカーブル国際空港周辺でISIL-Kが自爆テロを実行。少なくとも72人のアフガニスタン人と13人の米兵が死亡した。
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