イケア・カタログ
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イケア・カタログ (英: IKEA Catalogue, 米: IKEA Catalog) は、スウェーデンに拠点を置く小売業者、イケアによって毎年発刊されるカタログである。1951年に、スウェーデン語で最初に発行され[1]、カタログは、会社のマーケティングにおいて重要だと考えられており、2004年時点ではその年のマーケティング予算のうち、70%が費やされている[2]。2013年度には、世界中で、約2億800万冊が印刷され、同じ年に印刷されると予想されるベストセラー本の2倍以上である[3]。2013年度では、43カ国で、62版のカタログが作成された[3]。2010年度版は、30言語で発行されている[4]。顧客がオンライン販売に移行し、商品カタログの重要性が低下したことにより[5]、2021年度版をもって発行を終了した[6]。
約12,000の製品が載り300ページ以上に及ぶカタログは、メールや店内で配布される[7]。各カタログの版は、コンセプトから最後の生産までに約10ヶ月の期間を要する[3]。カタログのほとんどは、スウェーデンのイケア第1号店があるエルムフルトのイケア・コミュニケーションズABで生産される。イケア・コミュニケーションズには、8,000㎡の大きさの、北欧最大のフォトスタジオがある[1]。2012年時点で、スタジオでは、写真撮影でフルタイムで働く、写真家、大工、インテリア・デザイナーなど、285人の人材を雇用している[3]。カタログは、10〜15%が再生紙の塩素フリーペーパーに印刷されている[8]。
イケアは、2006年版カタログの小さな木製の椅子の単一のコンピュータイメージを置き、2005年にComputer Generated Imageryで実験を始めた。IKEAの写真家長、アンネリ・シェーグレンによれば、顧客は椅子がインターネットで作成されていることに気づかなかったという。2013年度版では、イケアのカタログ、パンフレット及びウェブサイトの画像の12%をコンピュータにより作成している。このような画像は、翌年には25%にもなると予想される[3]。拡張現実は、2013年度版カタログに導入された。携帯機器でカタログをスキャンすることにより、家具コンパートメント、ビデオ、ガイド及び他のインタラクティブなコンテンツの「X線」にアクセスできる[9]。
カナダの放送局、CTVによれば、「イケアの出版物は、オンラインに続きカルト的な発展を遂げてきた。読者は、神秘的な猫の絵、ミッキーマウスと思われる言及、カタログを乱す多くの棚の不思議な本を見つけ、奇妙な種類の1つとしている」[10]。2012年10月、イケアは、2013年版のサウジアラビアのカタログから、女性の写真を除き、非難された[11][12]。
イケアはさらに、定期的にスタイルマガジンを発行して売り、「イケア・ファミリー・ライブ」というタイトルで、カタログの補足として、13言語版がある。イギリスの英語版は、2007年2月に、50万件以上の予約があった[13]。
発行言語版一覧
オーストラリア (英語:ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州) [1]
オーストラリア (英語:西オーストラリア州、南オーストラリア州) [2]
オーストリア (ドイツ語)
ベルギー (オランダ語)
ベルギー (フランス語)
ブルガリア (ブルガリア語) [3]
カナダ (英語) [4]
カナダ (フランス語) [5]
中国 (中国語) [6]
チェコ (チェコ語)
キプロス (英語)
デンマーク (デンマーク語)
ドミニカ共和国 (スペイン語)
フィンランド (フィンランド語)
フランス (フランス語)
ドイツ (ドイツ語)
ギリシャとキプロス (ギリシャ語)
香港 (中国語)
香港 (英語)
ハンガリー (ハンガリー語)
アイスランド (アイスランド語)
イスラエル (ヘブライ語)
イタリア (イタリア語)
日本 (日本語)
クウェート (アラビア語)
クウェート (英語)
オランダ (オランダ語)
ノルウェー (ノルウェー語)
マレーシア (英語)
ポーランド (ポーランド語)
ポルトガル (ポルトガル語)
ルーマニア (ルーマニア語)
ロシア (ロシア語)
シンガポール (英語)
スロバキア (スロバキア語)
スペイン (バスク語)
スペイン (カタルーニャ語)
スペイン (英語)
スペイン (スペイン語)
サウジアラビア (アラビア語)
サウジアラビア (英語)
スウェーデン (フィンランド語)
スウェーデン (スウェーデン語) [7]
スイス (フランス語)
スイス (ドイツ語)
スイス (イタリア語)
台湾 (中国語)
タイ (英語)
タイ (タイ語)
トルコ (トルコ語)
アラブ首長国連邦 (英語)
イギリス (英語) [8]
アメリカ合衆国 (英語) [9]
アメリカ合衆国 (スペイン語) [10]
出典
- ^ a b “IKEA Catalogue printable facts”. IKEA United Kingdom (September 2003). September 2, 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。August 29, 2007閲覧。
- ^ “IKEA student info”. IKEA United Kingdom. June 22, 2004時点のオリジナルよりアーカイブ。August 29, 2007閲覧。
- ^ a b c d e Hansegard, Jens (August 23, 2012). “IKEA's New Catalogs: Less Pine, More Pixels”. The Wall Street Journal. オリジナルのSeptember 2, 2012時点におけるアーカイブ。 September 2, 2012閲覧。
- ^ “Sustainability Report 2011”. IKEA (2011年). September 2, 2012閲覧。
- ^ 家具大手イケア、商品カタログの発行終了 70年の歴史に幕、ロイター、2020年12月8日。
- ^ IKEAカタログの入手方法について教えてください。、IKEA 日本 - 2023年7月13日閲覧。
- ^ “IKEA Q&A section, on the Swedish language site”. 2013年3月29日閲覧。
- ^ “FAQ”. IKEA. September 2, 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。September 2, 2012閲覧。
- ^ “Ikea's Augmented Reality Catalog Will Let You Peek Inside Furniture”. September 2, 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。July 24, 2012閲覧。
- ^ “'Unfortunate' photo wasn't tampered with: IKEA”. CTV. (August 25, 2006). オリジナルのJune 29, 2011時点におけるアーカイブ。 August 29, 2007閲覧。
- ^ Molin, Anna (October 1, 2012). “IKEA Regrets Cutting Women From Saudi Ad”. The Wall Street Journal. オリジナルのOctober 6, 2012時点におけるアーカイブ。 October 6, 2012閲覧。
- ^ “Ikea criticised for airbrushing women out of Saudi catalogue”. The Daily Telegraph. (October 1, 2012). オリジナルのOctober 6, 2012時点におけるアーカイブ。 October 6, 2012閲覧。
- ^ Farey-Jones, Daniel (July 5, 2006). “Ikea to introduce UK magazine in February”. Brand Republic. Haymarket Business Media. September 2, 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。September 2, 2012閲覧。
外部リンク
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