イェーアトの人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 21:11 UTC 版)
「ベーオウルフの登場人物の一覧」の記事における「イェーアトの人々」の解説
ウィーイラーフ(Wiglaf) ベーオウルフの縁者。竜と戦うベーオウルフに助勢したスウェーデンのウェーイムンディング(英語版)氏族の戦士。生まれながらにして英雄的な資質を備えた人物。 ウォンレード(Wondred) エオヴァルとウルフの父親。 ウルフ(Wulf) ウォンレードの子でありエオヴァルの兄弟。ヒイェラークの指揮下でエオヴァルと共にスウェーオンの王オンゲンセーオウを追い詰めるが老王から手痛い反撃を受け、首級を挙げることはできなかった。この手柄でヒイェラークから褒賞を受ける。 エオヴァル(Eofor) ウォンレードの子でありウルフの兄弟。オンゲンセーオウの首級を挙げてウルフと同様にヒイェラークから褒賞を受け、更に彼の一人娘を与えられる。「エオヴァル」という名は古英語で「猪」を意味する。 エッジセーオウ(Ecgþeow) (おそらくはスウェーデン系の)ウェーイムンディング(英語版)氏族出身である高名な戦士。フレーゼル王の娘との間にベーオウルフを儲ける。ウュルヴィング(英語版)氏族のヘアゾラーフを殺害し賠償金を支払うことができなかったため、ウュルヴィング氏族と抗争が起きるのを嫌ったイェーアトから追放され、フロースガール統治下のデネに身を寄せることになった。フロースガールが代わりに賠償金を支払ったためこの問題は解決した。ベーオウルフがグレンデル退治のために再びデネを訪れた時には既に死亡している(262-265行)。名前の「エッジ」は「剣」を、セーオウは「下僕」を意味するが、これは「剣を下僕とする者」の意と解釈できる。 スウェルティング(Swerting) ヒイェラークの祖父。 ハスキュン(Hæþcyn) イェーアトの王フレーゼルの次男でありヒイェラークの兄。自身の兄ヘレベアルドを狩りの最中に誤射で殺してしまう。父王フレーゼルの死後王位に就くがオンゲンセーオウ率いるスウェーオン軍との戦いで戦死。 ヒイェラーク(Hygelac) イェーアトの王でありヒュイドの夫。ベーオウルフの叔父。フレーゼル王の三男であり、王位を継いでいた兄ハスキュンがスウェーオンとの戦いで戦死した後、イェーアト軍を率いてオンゲンセーオウを破り、イェーアトの王となる。ベーオウルフのグレンデル討伐には彼の身を案じ反対していた(1992-1997行)。後にベーオウルフを伴いフリジアへと遠征するがこの戦いで戦死。 『フランク史』などの史料に彼と思われる人物が名を残しているため、実在の人物であったと考えられている。『怪物の書』は彼について、並外れた巨漢であり12歳になる頃には彼を乗せて走ることのできる馬は存在しなかったほどであると記す。 ヒュイド(Hygd) ヘレスの娘。ヒイェラーク王に後妻として嫁ぎ、彼との間に後のデネの王ヘアルドレードを儲ける。若さに似合わず聡明であり気前もよく、女王として相応しい人格の持ち主。ヒイェラーク王の死後、まだ幼いヘアルドレードでは諸外国の脅威に対抗することができないであろうと懸念し、亡き王の甥にあたるベーオウルフにデネの王位を継承するよう乞うが、ベーオウルフはこれを固辞して自身は相談役としてヘアルドレードを盛り立てようと請け合う。彼女の名前が言及されるのはこのベーオウルフへの要請の場面が最後であるが、ヘアルドレードが長じて後スウェーオンの内乱に巻き込まれる形で死去しベーオウルフがイェーアトの王位を継承した後には、ヒュイドはベーオウルフと再婚した可能性がある。 フレーゼル(Hrethel) イェーアトの王でありヘレベアルド・ハスキュン・ヒイェラークらの父。ベーオウルフにとっては母方の祖父にあたり、デネで暮らしていた彼は7歳の頃フレーゼルに引き取られた。後に長男であるヘレベアルドが弟ハスキュンの誤射により命を失ったことを悲しみ、この世を去る。 ヘアルドレード(Heardred) イェーアトの王ヒイェラークと女王ヒュイドの息子。父の死後ベーオウルフの補佐を受けてイェーアトを統治していたが、後継問題に端を発したスウェーオンの内戦に巻き込まれる形で死亡する。 ヘレベアルド(Herebeald) イェーアトの王フレーゼルの長男。ヒイェラークの兄であり、ベーオウルフにとっては叔父にあたる。狩りの最中に弟ハスキュンの弓の誤射によって命を失う。 ヘレリーチ(Hereric) ヘアルドレードの縁者。ヒュイドの兄弟か(2206行) ベーオウルフ(Beowulf) この叙事詩の主人公。 ホンドシオーホ(Hondscio) ベーオウルフのグレンデル討伐に同行したイェーアトの戦士の一人。グレンデルに食い殺される。
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