アーベル多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/23 09:43 UTC 版)
数学において、特に代数幾何学や複素解析や数論では、アーベル多様体(アーベルたようたい、abelian variety)は、射影代数多様体であり、また正則函数(regular function)[1]により定義することのできる群法則を持つ代数群でもある代数多様体を言う。アーベル多様体は、代数幾何の最も研究されている対象であり、同時に代数幾何学や数論やそれ以外の他の分野の研究の不可欠な道具である。
- ^ 正則函数とは、ある与えられた領域で、解析的な函数のことを言う。
- ^ 小平次元は、代数多様体 V の分類に使われる次元で、V の標準バンドルの C 上の超越次元で定義され、κ で表される。κ の値は、代数多様体の次元 dim(V) = n より小さい正の整数、0、-∞、の値を取る。代数多様体は、κ = dim(V) のとき、「一般型」と呼ばれ、V の自己同型群が有限群となる。代数曲線の場合は、楕円曲線の小平次元は κ = 0 となる。
- ^ ヤコビ多様体の元来の定義は、種数 g の代数曲線の周期行列 Ω から作られる g-次元複素トーラス であり、主偏極アーベル多様体の構造を持つ。このアーベル多様体をヤコビ多様体と言う。いわば、解析的な周期写像から生成されたアーベル多様体のことである。 一方、複素トーラス のコホモロジーを考えると
- ^ 有限体上の代数多様体のリーマン予想の類似な予想をヴェイユ予想という。
- ^ 代数的トーラスとは、可換アフィン代数群をいう。これらの群は、リー群論のトーラスの理論の類似により命名されている。トーラスは変形をしないにもかかわらず豊富な数論的構造を持っているので、トーラスの理論はある意味でべき単群(unipotent groups)の理論とは反対の理論である。
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