双対アーベル多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 01:43 UTC 版)
「アーベル多様体」の記事における「双対アーベル多様体」の解説
詳細は「双対アーベル多様体(英語版) 」を参照 体 k 上のアーベル多様体 A へ(同じ体の上の)双対アーベル多様体 Av を対応させることができる。双対アーベル多様体は次のモジュライ問題の解を与える。k-多様体 T によりパラメトライズされた次数 0 の直線束の族は、A×T 上の直線束を L として、次の性質を持つように定義される。 すべての T 上の t に対し、L の A×{t} への制限は次数 0 の直線束である。 L の {0}×T への制限は自明な直線束(ここに 0 は A の同一視とする)である。 すると、多様体 Av と次数 0 の直線束 P の族に対し、T 上の族 L が射 1A×f: A×T → A×Av に沿った P の引き戻し(英語版)(pullback)に L が同型となるような一意的な射 f: T → Av に付随しているようパラメトライズされたポアンカレバンドルとなる。これを T が一点の時に適用すると、Av の点が A 上の次数 0 の直線束に対応することが分かる。従って、直線束のテンソル積により与えられる Av 上の自然な群の作用が存在して、それをアーベル多様体にする。 この関連は次の意味において双対である。二重双対 Avv と A(ポアンカレバンドルを通して定義された)の間に自然な同型が存在するということと、この同型が反変函手的、つまり、同型がすべての射 f: A → B と双対射 fv: Bv → Av を整合性を持って関連付けているという意味においてである。アーベル多様体の n-トーションとその双対の n-トーションは、基底となる体の標数が素のときには、互いにポアンカレ双対である。一般に、- すべての n に対し - 双対アーベル多様体の n-トーション群スキーム(英語版)は、互いにカルティエ双対(英語版)(Cartier dual)である。これは楕円曲線のヴェイユペアリング(英語版)(Weil pairing)を一般化したものである。
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