楕円的レギュレータとアーベル的レギュレータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 04:39 UTC 版)
「標準的高さ」の記事における「楕円的レギュレータとアーベル的レギュレータ」の解説
楕円曲線 E {\displaystyle E} 上の標準的な高さの双線型形式は、 ⟨ P , Q ⟩ = 1 2 ( h ^ ( P + Q ) − h ^ ( P ) − h ^ ( Q ) ) {\displaystyle \langle P,Q\rangle ={\frac {1}{2}}{\bigl (}{\hat {h}}(P+Q)-{\hat {h}}(P)-{\hat {h}}(Q){\bigr )}} である。 E/K の楕円レギュレータ(elliptic regulator)は、 Reg ( E / K ) = det ( ⟨ P i , P j ⟩ ) 1 ≤ i , j ≤ r {\displaystyle \operatorname {Reg} (E/K)=\det {\bigl (}\langle P_{i},P_{j}\rangle {\bigr )}_{1\leq i,j\leq r}} であり、ここに P 1 , ⋯ , P r {\displaystyle P_{1},\cdots ,P_{r}} は、捩れ(torsion)をmoduloとしたモーデル・ヴェイユ群 E ( K ) {\displaystyle E(K)} の基底である(グラム行列式(en:Gram determinant)を参照)。楕円レギュレータは基底の選択に依存しない。 より一般に、 A / K {\displaystyle A/K} をアーベル多様体、 B ≃ P i c 0 ( A ) {\displaystyle B\simeq Pic_{0}(A)} を A {\displaystyle A} の双対アーベル多様体として、 P {\displaystyle P} を A × B {\displaystyle A\times B} のポアンカレ直線束(英語版)とすると、 A / K {\displaystyle A/K} のアーベル的レギュレータ(abelian regulator)は、捩れをmoduloとしたモーデル・ヴェィユ群 A / K {\displaystyle A/K} の基底 Q 1 , ⋯ , Q r {\displaystyle Q_{1},\cdots ,Q_{r}} と捩れをmoduloとしたモーデル・ヴェィユ群 B / K {\displaystyle B/K} の基底 η 1 , ⋯ , η r {\displaystyle \eta _{1},\cdots ,\eta _{r}} の選び方に依存し、また設定 Reg ( A / K ) = det ( ⟨ P i , η j ⟩ P ) 1 ≤ i , j ≤ r {\displaystyle \operatorname {Reg} (A/K)=\det {\bigl (}\langle P_{i},\eta _{j}\rangle _{P}{\bigr )}_{1\leq i,j\leq r}} に依存する。 (楕円的レギュレータ、アーベル的レギュレータの定義は完全には整合しない。理由は、 A {\displaystyle A} を楕円曲線とすると、アーベル的レギュレータは、楕円的レギュレータの 2r 倍となるからである。) 楕円的レギュレータとアーベル的レギュレータは、バーチ・スウィナートン-ダイヤー予想に現れる。
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