アヴァント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 21:58 UTC 版)
「シーメンスS70形電車」の記事における「アヴァント」の解説
上記の北アメリカ向け車両を基に開発されたヨーロッパ向け車両はアヴァント(Avanto)と呼ばれており、2019年の時点で鉄道規格で建設された路線を走行するトラムトレイン用としてフランス国鉄(SNCF)が導入している。編成は5車体連接式で、中央部の車体は台車がないフローティング構造である。路面電車と普通鉄道という線路条件や安全基準が異なる路線を直通するため、直流750 V(路面電車、ライトレール区間)と交流25 kV(普通鉄道区間)双方の電圧に対応可能な構造になっている他、事故の際の安全対策のため車体の強度が増している。車体や内装のデザインについては、ドイツ・ミュンヘンのインダストリアルデザイン企業であるデジタルフォーム(Digitalform)が手掛けている。 フランス国鉄ではアヴァントにU 22500形という形式名を付けており、フランス初のトラムトレインとして2006年に開通したパリのT4線向けに15両、ミュルーズ中心部 - タン間を結ぶトラムトレイン(2010年開通)向けに12両が製造されている。また、パリで使用されている車両のうち1両については、2017年以降に省エネ、低騒音、メンテナンスコスト削減などの効果を持つ、三菱電機製の走行風自冷式の屋根上設置型変圧器への換装を実施している。ただし、このパリ向け車両については2022年現在、アルストム製のシタディス・デュアリス(フランス語版)による置き換えが進んでいる。 車内(パリ・T4線) 車内(トラムトレイン (ミュールーズ - タン)(フランス語版)) 乗降扉にはプラグドアを採用している(パリ・T4線) 鉄道駅のプラットホームでは乗降用ステップが展開する(パリ・T4線) 付随台車 製造後トラックで輸送されるパリ・T4線向けのU25500形(2006年撮影) ミュルーズ - タン間のトラムトレインに使用されるU22500形(2018年撮影) 鉄道線で使用されるフランス国鉄の気動車(右)と並ぶU22500形(左)(2013年撮影) ミュルーズ中心部では路面電車(右)と同じ線路を走る(2014年撮影)
※この「アヴァント」の解説は、「シーメンスS70形電車」の解説の一部です。
「アヴァント」を含む「シーメンスS70形電車」の記事については、「シーメンスS70形電車」の概要を参照ください。
- アヴァントのページへのリンク