アメリカ政府の予算・収入・支出の傾向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 05:29 UTC 版)
「アメリカの軍需経済と軍事政策」の記事における「アメリカ政府の予算・収入・支出の傾向」の解説
軍事支出の絶対額および政府総支出とGDPに対する軍事支出の比率の増減を決定する要素は、大規模な戦争・武力行使の時期、時代と世界の状況、個々の国の長期的な産業構造と産業別のGDP比・就業人口比の変化による影響、個々の国の経済・財政の状況の変化による影響、個々の国の領土・人口・地理的条件、個々の国の軍事政策などの要素の複合的な関連・影響により決定される。 政府支出とGDPに対する最も広義の軍需経済(軍事総支出)の比率、政府支出とGDPに対する広義の軍需経済(軍事総支出から人件費を除いた支出)の比率、政府総支出とGDPに対する狭義の軍需経済(武器購入費+研究開発費)の比率、政府総支出とGDPに対する最も狭義の軍需経済(武器購入費)の比率は、技術革新と経営革新が新たな産業・市場・雇用を創出することによる、アメリカ経済の拡大・発展、農業・林業・畜産業・水産業、製造業・建設業・鉱業、商業・サービス業の産業構造の多様化、GDPと就業人口の構成比の農業・林業・畜産業・水産業から製造業・建設業・鉱業への移転、製造・建設・鉱業から商業・サービス業への移転により、長期的傾向として著しく低下している。 2021会計年度の統計では、政府支出に対する最も広義の軍需経済(軍事総支出)の比率は15.4%、GDPに対する最も広義の軍需経済(軍事総支出)比率は3.2%、軍事総支出に対する広義の軍需経済(軍事総支出から人件費を除いた支出)の比率は77.2%、GDPに対する広義の軍需経済(軍事総支出から人件費を除いた支出)比率は2.5%、軍事総支出に対する狭義の軍需経済(武器購入費+研究開発費)の比率は31.2%、GDPに対する狭義の軍需経済(武器購入費+研究開発費)比率は1.0%、軍事総支出に対する最も狭義の軍需経済(武器購入費)の比率は18.2%、GDPに対する最も狭義の軍需経済(武器購入費)比率は0.6%であり、国家予算・政府総支出に対する軍事総支出の比率はヒューマンリソーセズに対する支出に次いで2番目に大きい。 アメリカの政府総支出の分野別構成比率は、1941会計年度から1970会計年度までは軍事総支出(国防総省、国土安全保障省、軍事用の核エネルギー関連の総計)が最大の比率だったが、「偉大なる社会」をスローガンとして掲げたリンドン・ジョンソン元大統領退任後の1971会計年度にヒューマンリソーセズが最大の比率になり、2019会計年度はヒューマンリソーセズ支出(教育、職業訓練、雇用、福祉、保健、所得保障、社会保障、退役軍人給付金などの総計)が政府総支出の70.4パーセントである。 1940-2019年のアメリカの経済規模・政府支出規模・通貨供給量は長期的に拡大し、名目通貨価値の購買力は長期的に低下しているので、経済や財政の統計を今年度の名目通貨額で表記すると大部分の項目は史上最大額または史上最大額に近い数値になる。軍事支出の歴史的推移を検証する場合に、各年度の名目通貨額を比較することは適切な検証方法ではなく、1940-2019年の政府支出とGDPに対する軍事支出の比率とその長期的な推移を検証することが適切な検証方法である。
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