アメリカ合衆国の勲章
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 19:23 UTC 版)
アメリカ合衆国の場合、ほとんどのものが戦功章であり、授与対象者は軍人である。オーダーがなく、最上級のものも“メダル”であり、一部のメダルにはその上にクロスが存在する。序列は、イギリスでは全てのメダルの上にそれぞれの上級章であるクロスが位置するが、アメリカの場合、メダルの上にその上級章であるクロスが位置し、その上に別のメダルが位置付けられる。 戦功章は条件を満たせば何度でも授与された(パープルハート章など)。その為高位の戦功章は条件が特に厳しく設定されており、これを得るためには多大な功績を示さなければならなかった。 大統領自由勲章 (Presidential Medal of Freedom) 文民(退役軍人を含む)に対する最高位の勲章の一つ。議会名誉黄金勲章と同格とされる。1945年にトルーマン大統領により制定された。 名誉勲章 (Medal of Honor) 連邦議会の議決を経て授与される、軍人に対する最高位の勲章。 殊勲十字章 (Distinguished Service Cross) 陸軍軍人の軍功に対して与えられる勲章。名誉勲章の次位。海軍及び海兵隊は海軍十字章 (Navy Cross)、空軍は空軍十字章 (Air Force Cross) となるが、これは陸軍が最も古くからある軍隊であるため。 ディスティングシュドサービスメダル (Distinguished Service Medal) 殊勲章の訳が見られる。陸海空軍・沿岸警備隊及び各省庁が、「国に対する軍事上の重責ある顕著な功績」を挙げた軍人又は文民職員に授与する。 レジオン・オブ・メリット (Legion of Merit) 勲功章の訳が見られる。格別な功績を挙げた軍人に与えられる。チーフコマンダー (Chief Commander)、コマンダー (Commander)、オフィサー (Officer)、レジオネール (Legionnaire) の4等級があるが、アメリカ合衆国の軍人に対しては階級問わず授与されるのはレジオネールで、オフィサー以上の3等級は外国軍高官対象。 シルバースター (Silver Star) 銀星章の訳が見られる。軍人用。「戦闘において勇敢な行為をした」者に授与される。 ブロンズスターメダル (Bronze Star) 青銅星章の訳が見られる。軍人用。「作戦において英雄的、かつ名誉ある奉仕を行い、成果を挙げた」者に授与される。 コメンデーションメダル (Commendation Medal) 賞賛章の訳が見られる。軍人用。「敵軍との直接接触において勇敢な行動を取った」者に授与される。 パープルハート章 (Purple Heart) 戦傷軍人に与えられる。その名の通り紫のハートの形をしている。ジョージ・ワシントンが独立戦争の際に制定した最も古くからある勲章。2004年の大統領候補ジョン・ケリーはこれを3回受章したことを選挙におけるセールスポイントとするなど、アメリカの退役軍人としてはとりわけ名誉な賞である。 エア・メダル(Air Medal) 航空活動で功績を挙げた軍人に与えられる。 戦争捕虜章 (Prisoner of War Medal) 捕虜となり無事帰還した軍人に与えられる。1986年に創設されたが、第一次世界大戦以降の捕虜経験者に対して遡及して授与される。 善行章 (Good Conduct Medal) 「献身的奉仕を行い顕著な自発性を見せた者」、つまり志願兵や3年間規律違反を犯さずに勤めた軍人に与えられる。戦死した軍人には無条件で追贈される。 従軍章 (〜 Service Medal、〜 Campaign) 戦争もしくは海外派兵任務についた軍人に与えられる。任務ごとに種類があり、名称とデザインも異なる。 (参考)英語版 アメリカ合衆国勲章カテゴリ 大統領自由勲章 パープルハート レジオン・オブ・メリット チーフコマンダー レジオン・オブ・メリット コマンダー レジオン・オブ・メリット オフィサー レジオン・オブ・メリット レジオネール 殊勲十字章 空軍十字章 海軍十字章 シルバー・スター ブロンズ・スターメダル 空軍ディスティングシュドサービスメダル
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