アメリカに対する見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 07:45 UTC 版)
軍事同盟の日米安保の破棄を目指し、代わりに「対等・平等の日米友好条約」を結びたいとしている。また「米国の誤った政策には厳しく反対するが、『独立宣言』に発する偉大な民主主義の歴史と伝統に対しては深い敬意を持っている」と述べており、「反米主義」ではないとしている。 アメリカを「帝国主義」と批判しているが、バラク・オバマが大統領に就任して核廃絶の方針を訴えると手紙を送るなどアメリカへの歩み寄りの姿勢を示すようになった。2010年4月から5月にかけて日本共産党党首として初訪米。その訪米についての党への報告の中で訪米に踏み切った理由について「米国は、かつては日本共産党員の入国が許されない時期もあり、1980年代までは入国それ自体が困難だったが、米国社会は変化しつつあり、“反共の壁”も崩れつつある。その変化はオバマ政権では特に進んだと思う。私たち自身も綱領を今の世界にふさわしく発展させ、植民地体制が崩壊した21世紀の世界のもとでは、独占資本主義の国だから、帝国主義の国になるとはいえない、帝国主義かどうかは、その国のとっている現実の政策と行動で判断すべきだというように、帝国主義論を発展させた。その時、米国については、その世界政策を分析して、まぎれもなく帝国主義との判断をしたが、同時にその米国も将来にわたって固定的に見ないことを確認した。米国であっても、世界の平和や進歩の流れのもとで、前向きの態度を部分的にとることもありうるだろう。そうした変化が起こった時には、『複眼』でとらえ、覇権主義の政策と行動は厳しく批判するが、前向きの変化はしっかりとらえて対応するという方針を確認した。米国についてより事実に即した原則的かつ柔軟な見方が可能となり、オバマ政権のもとでの変化への対応が可能となり、訪米に結びついた」と説明した。 2019年11月4日の第8回中央委員会総会では「アメリカの軍事的覇権主義が突出した危険を持っていることは疑いない」としつつも「中露両国による覇権主義も台頭し、それぞれが覇権主義的な国際秩序の押しつけを図っている」と述べ、綱領の「アメリカの覇権主義的な世界支配を許さず」という記述を「どんな国であれ覇権主義的な干渉、戦争、抑圧、支配を許さず」に変える改正を提案。米国名指しをやめたことについて米国批判のトーンを弱めたと報道された。
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