アメリカにライセンスされたRD-180
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/18 22:08 UTC 版)
「RD-180」の記事における「アメリカにライセンスされたRD-180」の解説
1990年代初頭、ジェネラル・ダイナミクス社の宇宙システム部門(後にロッキード・マーティンによって吸収)は、EELV(Evolved Expendable Launch Vehicle:発展型使い捨てロケット)とアトラスロケットにRD-180を使用する権利を買収した。これらは商業打ち上げだけでなく合衆国政府による打ち上げも行うと考えられたため、エンジンをプラット・アンド・ホイットニー社で並行生産する計画もあった。しかし、これまでのところ製造はすべてロシア国内にて実施されている。このエンジンは現在、ロシアの開発会社であり製造会社でもあるNPOエネゴマシュとプラット&ホイットニーとの合弁企業・RD AMROSSによって販売されている。 RD-180は、アトラスIIA-Rロケット(Rはロシアのこと)に装備された。アトラスIIA-Rロケットは、それまでのメインエンジンをロシア製エンジンに載せ替えたアトラスIIAロケットである。アトラスIIA-Rロケットは後にアトラスIIIへと改名されている。さらに、アトラスVの第一段であるコモン・コア・ブースターに使用するための追加の開発計画が推進された。 アメリカ航空宇宙研究所および大学宇宙研究協会の顧問で、プリンストン大学の元教授であるJerry Greyは、将来のNASAの重量物打ち上げロケットにRD-180を採用するよう提案した。ロシアへの信頼が過大であると懸念する人々に対し、RD AMROSSは「アメリカ製のRD-180を生産しているのに近く、NASAからいくらかの財政的支援があればそのエンジンの生産を(そしてRD-170と同等の170万ポンドの推力でさえもおそらく)数年以内に開始しうる」と彼は指摘している。 RD-180をアメリカで製造するために必要な書類と法的な権利が入手できるにもかかわらず、NASAは「ロシア製エンジンと同等以上の性能を持つ大推力エンジンの開発能力を確保するため」という名目で独自エンジンの開発を企図している。NASAは、2020年頃に国防省と共同で新型エンジンを開発する予定である。
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