アビジャンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 地域・地名 > 国家・自治体 > 首都 > 古都 > アビジャンの意味・解説 

アビジャン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/03 15:07 UTC 版)

アビジャン自治区
District autonome d'Abidjan

アビジャン
自治区 自治区
位置
座標 : 北緯5度20分20秒 西経4度1分48秒 / 北緯5.33889度 西経4.03000度 / 5.33889; -4.03000
歴史
建設 1904年
行政
コートジボワール
 自治区 アビジャン自治区
市長 Robert Beugré Mambé
地理
面積  
  自治区 2,140[1] km2
  市街地 554 km2
標高 25 m
人口
人口 (2014年現在)
  自治区 4,707,404人
    人口密度   2,200人/km2
  市街地 4,395,243人
    市街地人口密度   7,944人/km2
その他
等時帯 グリニッジ標準時 (UTC+0)
ISO 3166-2 CI-AB
公式ウェブサイト : www.abidjan.district.ci

アビジャン自治区(アビジャンじちく、: District autonome d'Abidjan)、通称アビジャン(Abidjan)は、コートジボワールの最大都市であり、経済や文化の面で西アフリカ全体に影響力を持つ。同国南部に位置する旧首都。アフリカ有数の世界都市であり、2019年のグローバル都市指標によれば世界第92位と評される。

1983年に首都が240km北のヤムスクロに移転されたが、現在も下院国民議会英語版と最高裁判所が所在し、また国が定めた経済の首都として事実上の首都機能を果たしている[2]。自治区の人口は約470.7万人、市域の人口は約439.5万人(2014年[3])。

歴史

元々この地はエブリエ族のビジャン部の村があるに過ぎなかったが、1893年にフランス領コートジボワールが成立した後、グラン・バッサムから植民地の首都を遷都する際に、西に40km程行ったこの地にフランス人は目をつけ、先住民を追放した後にビジャンの土地を意味するアビジャン市が建設された。

1904年にアビジャンからニジェールニアメまでを繋ぐための鉄道の建設が着工された。

1934年7月1日に首都がバンジェルヴィルから遷都され、アビジャンが首都になった。1936年に建設が始まった運河は1950年7月に完成し、運河の完成を以て1951年1月1日にアビジャン港が開港した。鉄道建設は、1954年にオートボルタ(現ブルキナファソ)の首都ワガドゥグーまで延びたところで終了した。

1960年にコートジボワールが独立すると、開放政策によりアビジャンはさらに開発が進み、西アフリカ諸国から多くの移民を受け入れた。1983年3月に同国の首都は内陸部のヤムスクロに遷都したが、現在もアビジャンは同国の政治、経済の中心となっている。

2025年には、植民地時代からの都市名の大幅な見直しが行われ、より"アフリカ的"な名称にされる予定。

市内の地理

エブリエ潟英語版を取りかこむように、プラトー、トレッシビル、アジャメ、ココディ、アボボ、ポール・ブエ、ヨープーゴン、マルコリー、アッテクベ、クマシの10の区が広がっている。市の中心街はプラトー地区で、ここに政府官庁や企業が多く立地し、高層ビルが立ち並んでいる。東のココディ地区は高級住宅街で、大使館や豪邸が立ち並ぶ。南のトレッシビルは下町であり、アビジャン・ニジェール鉄道の駅がある。北のアジャメも下町であり、アビジャン最大の市場や長距離バスターミナルがあり、多くの人でにぎわっている。また、ポール・ブエにはフェリックス・ウフェ=ボワニ国際空港があり、大西洋に面している。

アビジャンのコミューン

気候

ケッペンの気候区分ではサバナ気候(Aw)に属する。

アビジャンの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 40
(104)
43
(109)
41
(106)
38
(100)
39
(102)
39
(102)
34
(93)
32
(90)
35
(95)
42
(108)
39
(102)
39
(102)
43
(109)
平均最高気温 °C°F 31.1
(88)
31.7
(89.1)
31.8
(89.2)
31.7
(89.1)
31.0
(87.8)
29.2
(84.6)
28.0
(82.4)
27.5
(81.5)
28.1
(82.6)
29.7
(85.5)
31.1
(88)
31.0
(87.8)
30.16
(86.3)
日平均気温 °C°F 26.9
(80.4)
27.9
(82.2)
28.1
(82.6)
28.2
(82.8)
27.7
(81.9)
26.5
(79.7)
25.1
(77.2)
24.5
(76.1)
25.6
(78.1)
26.5
(79.7)
27.5
(81.5)
27.4
(81.3)
26.83
(80.29)
平均最低気温 °C°F 23.9
(75)
25.0
(77)
25.2
(77.4)
25.1
(77.2)
24.8
(76.6)
24.1
(75.4)
23.2
(73.8)
22.5
(72.5)
22.8
(73)
24.0
(75.2)
24.7
(76.5)
24.3
(75.7)
24.13
(75.44)
最低気温記録 °C°F 18
(64)
19
(66)
18
(64)
18
(64)
18
(64)
17
(63)
18
(64)
17
(63)
15
(59)
18
(64)
19
(66)
19
(66)
15
(59)
降水量 mm (inch) 16.3
(0.642)
48.9
(1.925)
106.7
(4.201)
141.3
(5.563)
293.5
(11.555)
651.8
(25.661)
205.7
(8.098)
36.8
(1.449)
80.5
(3.169)
137.7
(5.421)
143.3
(5.642)
75.1
(2.957)
1,937.6
(76.283)
平均降雨日数 (≥0.1 mm) 3 5 9 11 17 21 13 12 12 14 13 7 137
湿度 73 71 70 71 75 82 79 79 80 78 73 73 75.3
平均月間日照時間 210.8 209.05 220.1 216 201.5 129 130.2 114.7 138 204.6 225 207.7 2,206.65
出典1:Climate Charts (altitude: 8m)[4] Voodoo Skies for record temperatures,[5] World Climate Guide for rainy days[6]
出典2:Hong Kong Observatory for sunshine,[7] Climatemps.com for humidity[8]

経済

港湾都市であり、コートジボワールの生産物の数々が盛んに輸出されている。主要産業は食品加工、製材、自動車生産、織物工業、化学産業など多数があり、「西アフリカの優等生」と呼ばれる同国の経済活動を物語っている。また、同国最大の石油精製施設もある。また、コートジボワールを代表する空港であるフェリックス・ウフェ=ボワニ国際空港があり、ヨーロッパ・中東・アフリカに翼を伸ばしている。

アビジャンの夜景

交通

空港

コートジボワールの玄関口としてフェリックス・ウフェ=ボワニ国際空港が所在している。

鉄道

道路

アフリカでは珍しく都市高速道路がある。

港湾

教育

スポーツ

市内施設

ほとんどの行政官庁や各国大使館が、首都移転後もアビジャンに留まっている。市内には国立図書館や国立美術館などの教育・文化施設もある。

2019年12月16日、市内に日本の資金協力による自動車用高架橋が完成。アラサン・ワタラ大統領やアマドゥ・ゴンクリバリ首相が出席する完成式典が行われた[9]

対外関係

姉妹都市・提携都市

出身者

脚注

  1. ^ Republic of Côte d'Ivoire”. Citypopulation.de (2019年5月30日). 2021年2月16日閲覧。
  2. ^ The World Factbook/Cote d'Ivoire”. 中央情報局 (2021年2月5日). 2021年2月16日閲覧。
  3. ^ Abidjan”. Citypopulation.de (2017年7月23日). 2021年2月16日閲覧。
  4. ^ Abidjan – Aerodrome, Ivory Coast Climate, Global Warming, and Daylight Charts and Data”. Climate Charts. 2014年1月20日閲覧。
  5. ^ Abidjan, Cote d'Ivoire”. Voodoo Skies. 2014年1月20日閲覧。
  6. ^ Abidjan Climate Guide, Cote D'Ivoire (Ivory Coast)”. World Climate Guide. 2014年1月20日閲覧。
  7. ^ Climatological Normals of Abidjan”. Hong Kong Observatory. 2014年1月20日閲覧。
  8. ^ Relative Humidity in Abidjan, Ivory Coast”. Climatemps.com. 2014年1月20日閲覧。
  9. ^ 日本が資金協力した高架橋が開通 コートジボワール” (2019年12月17日). 2020年2月1日閲覧。

関連項目

参考文献

  • 鈴木裕之『ストリートの歌 現代アフリカの若者文化』世界思想社、2000年3月。ISBN 4790708071 

外部リンク


「アビジャン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



アビジャンと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アビジャン」の関連用語

1
プラトー デジタル大辞泉
70% |||||

2
ヤムスクロ デジタル大辞泉
70% |||||




6
エー‐エフ‐ディー‐エフ デジタル大辞泉
52% |||||

7
クドゥグ デジタル大辞泉
52% |||||

8
ココディ デジタル大辞泉
52% |||||

9
バンフォラ デジタル大辞泉
52% |||||


アビジャンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アビジャンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアビジャン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS