Alternaria alternata(葉上生息菌,黒斑病菌)
Alternaria
alternata (Fr.) Keiss.
分類:不完全菌門,不完全糸状菌綱
日本全国に分布。様々な植物の葉上生息菌として頻繁に分離されるが,タバコ赤星病菌,イチゴ黒斑病菌などとしても知られる。分生胞子を飛散して蔓延する。有性世代は知られていないが,Lewia属(子のう菌)であると考えられる。
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形態: 有性世代:不明 無性世代:淡褐色~オリーブ褐色の分生子柄上に,淡褐色~明褐色,倒棍棒形~倒洋梨形ないし楕円形,先端部には短い嘴をもち,表面平滑~小疣状,大きさ20-63×9-18μ,縦数個横-8隔壁の分生胞子を連鎖して形成する。連鎖は胞子5個以上の長連鎖で,しばしば分岐する。 |
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分生胞子 | 鎖生した分生子 |
標本番号 | 菌種 | 宿主和名 | 宿主学名 | 症状 | 採集地 | 採集年月日 | 採集者 |
257-2-21 | Alternaria alternata | タバコ | Nicotiana tabacum | 赤星病 | 太田煙草試験地 | 1902.7.12 | |
106-1-67 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 瀧元清透 |
Arthrinum st.(アースリナム菌(葉上生息菌))
Arthrinum Kuntze:Fr.
分類:不完全菌門,不完全糸状菌綱
日本全国に分布。主に土壌から分離されるが,しばしばイネ科植物などの葉上生息菌としても分離される。分生胞子を飛散して蔓延する。写真で示した株の有性世代はApiospora montagnei Sacc.と考えられるが,未同定である。
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形態: 有性世代: 無性世代:分生子柄は直立し,ひも状,無色,頂部に1-数個の分生子を形成する。分生子は褐色,レンズ形~円形,中央に透明の溝を1本もち,直径5-8.8μ,厚さ3.7-6.3μ。 |
分生子柄と分生子 | 分生子 |
Epicoccum nigrum(エピコッカム菌(葉上生息菌))
Epicoccum
nigrum Link
分類:不完全菌門,不完全糸状菌綱
日本全国に広く分布。オオムギ,コムギに黒点病,イネににせいもち病を引き起こすが,イネ科植物などの最も一般的な植物-葉面生息菌でもある。分生胞子を飛散して蔓延する。子のう時代は未発見。
性状(機能):植物病原菌,植物体-葉面生息菌
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形態: 有性世代:未発見 無性世代:クッション状,黒色,直径2mm以下の分生子層上に,短く,大きさ5-15×3-6μの分生子柄を密生する。分生胞子は単生,球形~亜球形,暗褐色,隔壁により多室に分かれ俵状,直径は通常15-25μ。 |
分生胞子 |
標本番号 | 菌種 | 宿主和名 | 宿主学名 | 症状 | 採集地 | 採集年月日 | 採集者 |
101-1-70 | Epicoccum nigrum | イネ | Oryza sativa | にせいもち病? | 福岡県 | 1931 | 瀧元清透 |
103-2-5 | 〃 | オオムギ | Hordeum vulgare | 黒点病 | 埼玉県上尾町農事試圃場 | 1933.6.3 | 富永時任 |
256-2-7 | 〃 | コムギ | Triticum aestivum | 〃 | 奈良県 | 1958.4 | 伊藤 |
103-1-10 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 山口市農事試 | 1958.4 | 堀貞雄 |
256-2-6 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 東京都北多摩郡清瀬町芝山 | 1958.5.19 | 富永時任 |
103-1-8 | 〃 | 〃(葉,茎) | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 |
103-1-11 | 〃 | 〃(葉) | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 |
103-2-4 | 〃 | オオムギ | Hordeum vulgare | 〃 | 〃 | 1958.5.27 | 〃 |
103-1-9 | 〃 | コムギ | Triticum aestivum | 〃 | 埼玉県上尾町農試圃場 | 1958.6.3 | 〃 |
256-2-38 | 〃 | エンバク | Avena sativa | 黄斑病(未報告) | 千葉県青葉町(農技研畜産部) | 1961.6.2 | 〃 |
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